独自の試算から見えてくる!セブンイレブン、インセンティブ・チャージ見直しの本音とねらい

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セブン&アイの本音は、24時間営業の残存者利益?

 しかし、同社の目論見はもう少しあるのではないだろうか。

 まず、これを契機に他のコンビニエンスチェーンにも加盟店への支援策を促し、財務的、あるいは将来の加盟店オーナー確保の点で競争優位に持ち込みたいと考えているのだろう。

 さらに、できるかぎり24時間営業を継続することで、他社チェーンが失う時短分の売上を奪うことを狙っているのではないだろうか。

 さりとて、他社も24時間営業の継続のためにさらに省人化投資を加速するであろうし、同社の新しい加盟店支援策が、金額の絶対値としてみた場合に人件費上昇をどこまで補ってくれるのか疑問を感じないわけではない。

 その昔を思い出すと、7時-23時に店舗が空いているだけでも十分便利だった記憶が蘇る。コンビニトップの王道とは、短縮営業でも十分な売上が出せる商品力を強化し、さらに他社に引けを取らないオペレーションの省人化を進めることに尽きると考える。

 

プロフィール

椎名則夫(しいな・のりお)
都市銀行で証券運用・融資に従事したのち、米系資産運用会社の調査部で日本企業の投資調査を行う(担当業界は中小型株全般、ヘルスケア、保険、通信、インターネットなど)。
米系証券会社のリスク管理部門(株式・クレジット等)を経て、独立系投資調査会社に所属し小売セクターを中心にアナリスト業務に携わっていた。シカゴ大学MBA、CFA日本証券アナリスト協会検定会員。マサチューセッツ州立大学MBA講師

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記事執筆者

都市銀行で証券運用・融資に従事したのち、米系資産運用会社の調査部で日本企業の投資調査を行う(担当業界は中小型株全般、ヘルスケア、保険、通信、インターネットなど)。

米系証券会社のリスク管理部門(株式・クレジット等)を経て、独立系投資調査会社に所属し小売セクターを中心にアナリスト業務に携わっていた。シカゴ大学MBA、CFA日本証券アナリスト協会検定会員。マサチューセッツ州立大学MBA講師

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