ホームセンター売上高ランキング!DCM、カインズ、コメリ…各社戦略を解説

高浦佑介 (ダイヤモンド・ホームセンター編集長)
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上位10社でも好調組・不振組がくっきり

 3位コメリ(新潟県)の19年3月期業績は、営業収益3468億円(同1.4%増)、営業利益181億円(同6.8%増)となった。コメリの主力フォーマットは品揃えを武器とした大型店の「パワー(PW)」と農業資材・金物に特化した小商圏型の「ハード&グリーン(H&G)の2つ。PWを10万人超の大商圏に出店し、その周辺にH&Gを出店することでドミナントを深耕してきた。19年3月期はPW9店舗を含む16店舗の新規出店、12店舗の閉店により、期末店舗数は1192店舗となった。PB比率は42%で、カインズと並んで業界トップクラス。

 4位コーナン商事(大阪府)の19年2月期業績は、営業収益3334億円(対前期比5.5%増)、営業利益198億円(同14.5%増)の2ケタ増益を達成し、それぞれ過去最高を更新した。既存店売上高は同2.9%増とホームセンター企業で最も高い数値となった。豪雨水害や台風といった関西圏の災害需要で売上が伸びたほか、プロ向け業態「コーナンPRO」が好調で、業績を牽引した。今年6月、LIXIL系の会員制建築資材卸の建デポ(東京都)を約240億円で買収。建デポの19年3月期業績は、売上高348億円、当期損失が327万円。今期、建デポの売上高がコーナン商事の連結に加わるため、売上規模でコメリを上回ることになる。

 5位のナフコ(福岡県)は大手5社で唯一減収減益となった。減収要因としては、店舗数の純減(新規出店3、閉店6)、既存店売上高が同0.5%減となり、前期を下回ったことによる。既存店売上高は18年7月の豪雨、9月の台風、12月~翌年2月にかけての暖冬、といった西日本中心に発生した、小売業にとって不利な天候要因が続いたことが大きい。さらに、「生活用品」部門ではドラッグストアやディスカウントストアなど、価格訴求型の他業態との競争も激化し、売上高は同3.3%減の631億円となり、カテゴリー構成比が同0.6ポイント減少した。今期は売上高が同0.8%増の2249億円、営業利益が同20.4%増の84億円という2ケタ増益の計画を立てている。

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記事執筆者

高浦佑介 / ダイヤモンド・ホームセンター編集長

2010年東京大学文学部卒業、12年同大学院修士課程(社会心理学)修了。14年ダイヤモンド・リテイルメディア入社。『ダイヤモンド・チェーンストア』誌の編集・記者を経て、19年4月より現職。

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