[東京 13日 ロイター] – 日銀が13日に発表した7月の企業物価指数速報によると、国内企業物価指数(2015年=100.0)は前年比でマイナス0.6%となり、2年半ぶりにマイナスに転じた前月からマイナス幅が拡大した。0.6%の下落は、16年12月以来のマイナス幅。米中貿易摩擦への懸念を受け、国際市況が下落したことが要因。ロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値は前年比プラス0.5%だった。
7月の指数は101.2。
前月比は0.0%。ただ、夏季電力料金で割り増しになっているため、これを調整した後では、マイナス0.2%で3カ月連続のマイナスだった。
米中貿易摩擦に対する懸念は原油や銅、アルミニウムなどの商品市況の下落へとつながっている。7月の企業物価も市況性の強い製品の価格下落に影響された。
石油・石炭製品は前年比8.2%の下落(6月は5.7%下落)と16年9月以来のマイナス幅となった。銅やアルミニウムなどの非鉄金属は同6.7%下落(6月は9.4%下落)、スクラップ類は同19.9%下落(6月は15.7%下落)。
日銀幹部は「米中貿易摩擦は世界的な需要減少を通じて広範な商品価格の下落をもたらし、世界的な物価下落要因になる可能性もある」と述べ、今後も米中貿易摩擦の帰すうや世界経済の動向を注視するとした。また、商品市況の変動が国内物価に及ぼす影響という面からは「国内需要の動向についても引き続き注視していく必要がある」と指摘した。
公表744品目のうち、前年比で上昇したのは373品目、下落は280品目だった。上昇と下落の差は93品目で、前月から29品目減少した。
*日銀の発表資料は以下のURLでご覧になれます。
http://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_release
(清水律子 )