週刊コンビニニュース ファミリーマート、リウボウストアとの共同出店など新型立地店続々

ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局
Pocket

1週間のコンビニに関するニュースをまとめた『週刊コンビニニュース』。CVSでの「おでん」と「中華まん」の販売が始まった。野菜だしにポイントを置いた「おでん」、専門店品質を目指した「中華まん」が今年の各社に共通する開発コンセプトだが、「おでん」で、店舗での作業負荷軽減や廃棄率軽減のために販売時間の延長を指向したファミリーマートなどの手法は、時宜にかなった展開というべきか。(8月6日〜12日のニュースをまとめました)。

① ローソン
フードロス削減で新たな取り組み 

 「フードロス削減・子供の貧困などの社会的課題解決への寄与」を目的に、従来は物流センターで廃棄しなければならなかった「店舗への納品期限を迎えてしまった商品(賞味期限は残っている商品)」などの余剰商品について、新たな取り組みでロス削減を目指す。

 今回の取り組みは、余剰商品を一般社団法人フードバンク推進協議会(東京都・小金井市/全国のフードバンク30団体が加盟)を通じて、食品の支援を必要としている家庭やこども食堂・児童養護施設・障がい者福祉施設などに寄贈するもの。初回となる今回は、ローソンのPB「ローソンセレクト」の菓子約27,000個を、85日までに東北から九州のフードバンク24団体に寄贈し、対象となる家庭や施設に提供された。

 8月1日にフードバンク推進協議会と締結した「寄贈品に関する合意書」に基づく取り組みで、物流センターを運営する三菱食品とは別途合意書を締結。食品の提供を希望する全国のフードバンクへは、物流センターから直接納品される。今回の取り組みによって、全国規模での寄贈が可能となった。

② セブン-イレブン
環境負荷低減のストローを試験導入

 高知県内の41店舗で、研究開発型素材メーカーのカネカによる「PHBH®」を使用した『セブンカフェ』用のストローを、8月6日から試験導入した。高知県ではすでに環境配慮への取り組みとして、アイスコーヒーに使用するフタを飲み口の付いた仕様にすることで、プラスチック製ストローの配布量低減を図る試験を行っている。

③ セブン-イレブン
埼玉県との包括協定締結10周年記念

 820日から県内1,213店舗で、『包括協定10周年記念商品』を発売する。今回は、地元埼玉県の代表的な野菜「小松菜」を使用した『混ぜて食べる!ビビンうどん』(税込496円)や、県内の学校給食で馴染みのある「わたぼく牛乳」を使用した『ミニもちとろ みるく&カフェオレ』(税込138円)の計2品を発売する。

④ ファミリーマート
「統合レポート2019」を発行 

 ユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社は、91日をもって100%の子会社である株式会社ファミリーマートを吸収合併し、商号を株式会社ファミリーマートに変更する。そうしたなか、「統合レポート2019」は、新たな株式会社ファミリーマートの企業戦略を中心に、ESG情報などの非財務情報を結合させ、持続的な成長を遂げるための取り組みについて紹介する。

⑤ ローソン
地球環境保全の研究活動に寄付 

 「悪魔のおにぎり」の発売1周年を記念して、1015日から1111日までの4週間、同商品の販売数に応じた金額を、大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構国立極地研究所が設置する極域科学振興募金に寄付する。「悪魔のおにぎり」は以前、南極観測隊が夜食として食べていたおにぎりで、悪魔的にやみつきになる美味しさに由来する。発売以降の累計販売数は4,600万個を突破し、現在は定番商品となっている。

⑥ ファミリーマート
SM共同出店や大型公園内など新型立地店を続々

 ファミリーマートは新しい立地への出店に意欲的だ。まず8月8日、公園入口に位置した総合案内所を改装して「万博記念公園店」を開店した。公園利用者への“おもてなし”を実践する店舗を目指し、観光客へは大阪の土産品(約20種類)を取り揃え、カウンターコーヒーは3台に増やした。また、イートインは34席、入口は2ケ所に設けて回遊性を向上させた。

 次が村民の利便性を考慮した「道の駅九頭竜店」。オープンは813日。福井県と岐阜県の県境に位置する福井県大野市和泉地区への出店となる。同地区の人口はわずか400人余りで、食料品などの小売店がない状況が続いていた。村民の生活の利便性向上に貢献することを目指しての出店となる。イートインスペースは20席で、村の寄合所としても機能する。

 3つ目が、24時間フィットネス「Fit&GO」の4号店。「ファミリーマート福生駅前店」(東京都福生市)の2階に8月16日、直営の「Fit&GO」をオープンする。「Fit&GO」はファミリーマートが始めたフィットネスジムで、入会金不要で、月額7,900円(税抜)から利用でき、24時間365日の利用が可能。

 最後が、沖縄県で初となる食品スーパーと一体型店舗の出店だ。88日、沖縄ファミリーマートとリウボウストア(沖縄県那覇市)は、スーパーマーケットとの一体型店舗「ファミリーマート プラスりうぼう泉崎店」をオープンした。なおリウボウストアも沖縄ファミリーマートも同じリウボウグループである。

⑦ コンビニ3社
おでん戦略、それぞれ発表 “野菜”“つゆ”にこだわり

 8月20日から本格展開となる今年度の「ファミマのおでん」のセールスポイントは、“焼津産鰹節の旨みに野菜の風味が加わった自慢のつゆ”。今年は、“出汁の染み込み”にとことんこだわり、野菜の旨みにより後味まで旨みを感じられるつゆを目指したほか、つゆが染み込みやすいように具材の製法を変更した。つゆは7地区に分けて展開する。また、店舗でのオペレーションの負荷軽減、販売時間の延長など、管理面にも留意した。

 ローソンの今年のおでんは、野菜の具材比率を増した「つゆしみがんも」、「ひじきと5種野菜のさつま揚げ」、チーズを4種類の野菜を入れて作ったつくねで包んだ「チーズの野菜ハンバーグ」など、具だくさんなおでん種を順次発売する。また、製法を見直すことで“つゆしみ”“つゆ絡み”“食感”を楽しめる仕立てにした。つゆは、薄削りの鰹節を後から入れる“追い鰹製法”を追加し、香り立ちの良いだしを目指した。また、地域ごとに馴染みのあるだしを加え、全国で9種類に分けて提供する。発売は86日から。

 セブン-イレブンの今年度の「おでん」は、昨年度に取り入れた「野菜だし」の素材を人参・玉ねぎからキャベツ・玉ねぎに変更し、ベースのだしには新たに「あごだし」を加えることで、味の基本となる鰹節や昆布のだし本来の美味しさも引き立てながら、上品な甘味とコク深くすっきりとした後味のつゆを実現した。8月6日から順次発売。

⑧セブンとファミマ
19年の中華まんはさらに進化

 セブン-イレブンの今年の中華まんは、専門店の品質の中華まんを再現することを目指して開発した。オリジナルブレンドの小麦粉を使用し、具材との相性が良く、ふんわり・もっちりとした生地と素材本来のおいしさが楽しめる具材を組み合わせた。発売は813日から。いずれも税込129円。

・「もっちりジューシー肉まん」
・「とろ〜りチーズのもちっとピザまん」
・「ふんわり濃厚ごまあんまん」)
・「北海道産小豆のつぶあんまん」

 一方ファミリーマートの中華まんは、井村屋(三重県津市)の協力のもとで毎年改良を重ね、専門店品質の美味しさを提供することにポイントを置いてきた。今年度の「ファミマの中華まん」の特徴は、“チーズ肉まん”など、人気商品を新たに定番商品化したこと。また、定番商品のさらなるおいしさ向上のため、生地と具材へのこだわりを追求した。また、販売可能時間の延長にも挑戦する。発売は820日から(一部910日から)。

・「チーズ肉まん」(税込160円)
・「極旨黒豚まん」(税込198円)
・「熟成生地の本格肉まん」(税込130円)
・「チーズたっぷりピザまん」(税込130円)

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態