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街角景気、6月家計景況感は3年ぶり低水準 消費マインドじわり萎縮

都内 街角景気
7月8日、内閣府が発表した6月の景気ウオッチャー調査では、家計の景況感がおよそ3年ぶりの低水準に沈んだ。写真は都内で2016年8月に撮影(2019年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

[東京 8日 ロイター] – 内閣府が8日に発表した6月の景気ウオッチャー調査では、家計の景況感がおよそ3年ぶりの低水準に沈んだ。先行き見通しも同様で、駆け込み需要以外に明るい材料は見通せていない。消費増税前の駆け込み需要が始まるなど明るい声もある一方で、例年と比べても弱さが際立つとの声も多く、年金問題への不安も挙げられている。消費マインドはじわりじわりと萎縮が進んでいる。

全体の景気の現状判断DIは44.0、前月差0.1ポイント低下し、2カ月連続の低下。横ばいを示す50の水準は18カ月連続で下回った。企業動向関連が横ばい、雇用関連が上昇、家計動向関連が低下した。

家計関連では、新元号「令和」の効果や10連休があったにもかかわらず5月は低下。6月もさらに0.5ポイント低下してDIは43.6となった。16年7月以来の低水準。今年に入りDIの水準が45を割りこむ水準に落ち込んだままとなっている。

小売りや飲食関連はすでに年初から弱さが続いているが、今月はこれまで家計の中では比較的安定していたサービスが足を引っ張った。「大型連休の反動もあり、個人の客足が鈍いほか、団体旅行も足踏み状態」(甲信越・旅行代理店)という声のほか、「年金問題や消費税引き上げ前で影響が出ており、今後の景気が心配」(九州・タクシー運転手)との声がある。

ただ早くも「販売台数は前年を上回っており、消費税引き上げ前の駆け込み需要を実感している」(東海・乗用車販売店)といった動きも出てきた。

企業関連は前月から横ばいだが、DIの水準は5、6月ともに45を下回っており、さえない。「米中摩擦問題により、半導体製品の生産や金属価格が依然として落ちている」(九州・産業廃棄物処理業)という指摘や、「日中間の輸出入の件数が10%ほど落ち込んでいる」(北陸・輸送業)という声など、貿易摩擦の影響がうかがえる。逆に「受注は好調。ハウスメーカーも受注残を年内持っており、しばらくは好調が継続」(木材木製品製造業)といった声もある。

2─3カ月先を見る先行き判断DIは45.8で、前月差0.2ポイント上昇。わずかではあるが、5カ月ぶりの上昇となった。全体に増税前の家計込に期待も多いが、「その効果は一時的ではないか」(甲信越・百貨店)と冷めた声もある。

内閣府は、景気ウオッチャー調査の判断の表現を「このところ回復に弱さがみられる」で据え置いた。