安全安心だけでは広がらない オーガニックに必要な価値とは!?

2019/06/25 05:00
宮川耕平(日本食糧新聞社)

「安くなれば量が売れる・量が売れるなら安くなる」。この狭間にいてブレイクできない分野はいろいろありますが、オーガニック食品もその1つのようです。
オーガニックは安全安心。だけど値段が高い。そんな評価が一般的なようです。高いと感じるのは結局、安全安心だけでは価格に見合う価値として納得しづらい、そういうことではないでしょうか。
それならオーガニック食品とは、どうあるべきでしょう? 安全安心からのプラスアルファを検討します。

オーガニックは安くあるべきか

 冒頭に挙げた「安くなれば量が売れる・量が売れるなら安くなる」のジレンマを打ち破る方法ですが、「安くする」しかありません。いかにして生産コストを下げるか、追求するのはこの一点です。「低価格化 → 市場拡大」、そのような事例はあらゆる産業で無数にあります。

 オーガニック市場も、価格が下がれば拡大は間違いありません。しかし、通常の食品にオーガニックの付加価値をつけたカテゴリーなのですから、低価格化を志向するのは、そもそも矛盾というものです。

「高くて不味い」はありえない

 消費者は、オーガニック食品が通常品よりも高いことは理解するとしても、価格と価値のバランスに疑問符を付けています。まずは次のように考えているのでしょう。

「オーガニックは高い。その値段ほどに美味しいの?」

 安全安心だけど、美味しさはトレードオフ。オーガニック食品を購入した際に、そのような「がっかり体験」がけっこうあります。出費がかさむ分、ダメージが残ります。

 オーガニック食品は、通常品よりも価格が高いからこそ、美味しくあってほしいところです。正直、通常品よりも美味しさで上回ることができないものをオーガニックにすべきではないとさえ思います(オーガニックと味の間に因果関係はありませんが、それができなければ日本での販売拡大は難しいという意味です)。

 オーガニックの条件で最高の美味しさを実現すること自体が高いハードルですが、美味しさの評価は人それぞれなので、誰もが認める絶対的な美味しさというのは至難です。安全安心で、大半は通常品よりも美味しいと評価してくれる・・・。そこを起点にして、さらにプラスアルファの価値を備えられるかどうかが、高単価の付加価値カテゴリーにとっての勝負どころではないでしょうか。

 安心・美味しいだけではない工夫の一端として、オーガニックの精肉を冷凍で商品化する事例を紹介したいと思います。

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