[東京 19日 ロイター] – 4月ロイター企業調査によると、10連休となる今年のゴールデンウィーク(GW)期間中の生産・販売額はほぼ前年並みだが、小売業では販売が減少するとみている企業が、増加するとみている企業を上回った。期間中、製造業を中心に営業・操業を完全停止する企業が38%に上る一方、小売業は76%が無休と回答した。今年10月に予定されている消費税率引き上げは、追加経済対策とセットでの実施が適当との回答が61%を占めた。
今回の調査期間は、4月3日─15日。調査票発送企業は478社、回答社数は230社程度。
<10連休、小売販売は減少気味>
4月末からの10連休において、事業活動を完全に停止するとの回答は38%に上った。特に「輸送用機器」と「精密機器・その他」では6─7割が完全停止する。
「一部停止」が47%と半数弱を占め、「無休」は15%となったが、「小売」では「無休」が76%と最も高い比率となった。
大型連休期間の販売額や生産高の見通しを前年と比較してもらったところ、前年を100とした場合の平均値は98.9とほぼ前年並みとなった。
このうち製造業では「減少」が31%を占め、「増加」の21%を上回った。非製造業は販売増との回答が30%と販売減の24%を上回った。しかし、小売業では前年より販売が減少するとの回答が35%にのぼり、前年比で「増加」するとみている企業(20%)を上回った。
製造業では「中国経済の減速等で徐々に生産が後退」(機械)といった見方がある。消費関連でも、「競争が激しく、供給過多で販売単価が減少している」(サービス)、「消費の冷え込み」、「連休は売り上げが伸びるが、その後の落ち込みが心配」(同じくいずれも食品)などと懸念する声も聞かれた。
<消費税率引き上げ「適当」が約8割>
消費税率引き上げについては、「追加経済対策」とのセットで実施すべきとの回答が61%と過半数を占めた。税率引き上げには賛成だが、追加経済対策は不要との回答は18%となった。追加対策の有無に違いはあるが、合わせて79%が増税実施が適当とみている。
「少子高齢化社会に対応していくため間接税の比重を上げていくことは必要不可欠」(機械)、「今から取りやめると大きな混乱を及ぼす」(化学)、「今回延期したらもう税率引き上げのチャンスは二度とないと考えられる」(電機)といった声がある。
追加対策に慎重な企業からは「追加対策は増税実施の根拠が揺らぐ」(建設)、「これ以上の対策は単にバラマキとなるだけで過去の例から見ても奏功しない」(卸売)との指摘があった。
一方で消費増税はとりやめるべきとの回答は21%にとどまった。「消費税率を引き上げても、消費減少、企業業績悪化により税収は増えない」(電機)などの考えが示されている。
(中川泉 編集:石田仁志)