データで見る流通
「食事の材料」の販売チャネルとして、都市部での存在感増す小型SM

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文=相沢 佳菜子

ドゥ・ハウス リサーチ第1事業部マネジャ

 

 国内のコンビニエンスストア(CVS)の店舗数は5万店を超え、都市部では、同じ通りにCVSが立ち並んでいることも珍しくない。最近では、総菜や青果などを扱うCVSも増えてきており、より多くの商品を扱うようになっている。都市部においては「まいばすけっと」を始めとした、手軽に食品を購入できる小型の食品スーパー(SM)が増えており、競争はさらに激しくなっている。そこで、都市部に住む生活者の食品の購入状況にスポットを当て、各業態の利用実態を探ってみた。

 

 小型SMとCVSの利用率を比べると、小型SMは「単身者」の利用が他の属性に比べて多く、全体では29.3%の人が利用していた(図表1)。一方で、CVSを利用しているのは54.8%で、「単身者」(60.6%)よりも「未婚(家族と同居)」(65.3%)がわずかに上回る結果となった。購入している商品を見ると、小型SMは1位「青果・鮮魚・精肉」、2位「菓子・アイス・デザート」、3位「牛乳・乳製品(牛乳・バターなど)」となっている(図表2)。

 

 

 一方、CVSでは1位の「弁当」が圧倒的に高く、2位「菓子・アイス・デザート」、3位「パン」、「飲料(アルコールを除く)」と続き、「買ってすぐに食べられるもの」が購入されている。小型SMはCVSに比べて、生鮮食品や日配品、加工食品の購入率が高いことを踏まえると、総合スーパー(GMS)やSM同様に、都市部に住む生活者に「食事の材料」の購入チャネルとして利用されていることがわかる。

 

 ただし、「総菜」や「菓子・アイス・デザート」、「アルコール飲料」については、小型SM、CVSいずれも購入率にあまり差がなく、今後、小型SMとCVSが拡充すべき商品といえそうだ。

 

 小型SM、CVSともに利用している層の使い分けの理由を聞くと、品揃えのほか、「新商品が目的のときはCVSを利用する」(39歳女性)、「CVSはATMのついでに利用」(51歳女性)という回答があった。CVSは新商品が並ぶ早さや、いつでもATMを利用できることが来店動機となっている。

 

 一方、小型SMの利用方法については「何か1点だけ必要なときはCVSに。それ以上のときは小型SMを利用」(38歳女性)、「平日はCVS、休日は小型SMを利用」(54歳男性)など、ある程度のまとめ買いや週末の買物で利用されていることがわかる。都市部居住者にとっては、GMSと同じ感覚で利用されていることがうかがえる。

 

 小型SMの先駆けである「まいばすけっと」は14年に店舗数が500店舗を超えた。「マルエツ プチ」や「miniピアゴ」など、SM各社の小型SMの出店は今後も続くと見込まれる。

 

 未婚者の増加や晩婚化が進んでいることなどから、単身世帯は増えている。加えて、家賃の高い都市部への人口集中が進み、景気の先行きは不透明であることから節約志向が強まっている。都市部の単身者にとって、手軽に、安く「食事をつくる」ために、今後も小型SMは重宝されることになりそうだ。

 

 

(「ダイヤモンド・チェーンストア」2015年6/1号)

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