ナイトタイムエコノミーとは
今年、インバウンド業界においても話題となっている「ナイトタイムエコノミー」。日本では、地方のみならず首都圏であっても訪日外国人にとって魅力的な観光・お買物スポットが夜の時間帯に少ないという課題があり、これらの市場の掘り起こしが重要であるとされています。
例えばイギリスの場合、ナイトタイムエコノミー関連業界によって構成される「ナイトタイム産業協会」の調査に寄ると、国内のナイトタイムエコノミーの経済規模は、年間で国全体の約6%に及ぶとされています。その額、日本円にして9兆5700億円に達し、その6%を日本に当てはめると約80兆円もの「眠った市場」があるとも言われています。
インバウンド業界では、特に大阪が、このナイトタイムエコノミーに大きな関心を寄せ、各種の先進的な施策を実施していることで度々話題になります。そこで今回は、現状のインバウンド消費はどの時間帯がピークになるのか、また現状のナイトタイムエコノミーはどのようなものなのかを、「購買興味データ」から、インバウンド「購買行動」どの時間に活発になるのかを見ていきましょう。
※「購買興味データ」とはバーコードをかざすと多言語商品情報を表示するアプリ「Payke」を通じたスキャンに関するデータで、これによって購買直前の消費者の動きやプロセスを知ることができます。
訪日外国人は「何時」に買い物している?
さっそく、東京、大阪、北海道、沖縄の4大インバウンド観光地の平均購買行動時間帯の推移を見て見ましょう。【図1】は、各観光地におけるドラッグストアにおいて、スキャンされた時間帯の平均値を算出し、季節ごとに購買行動の時間帯にどのような変化があるのかをみています。
これを見ると、東京が際立って購買行動時間帯が早いことがわかります。東京と大阪は、1.5時間ほどの『時差』があるものの、4月頃に購買行動が比較的遅くなるピークを迎え、夏に向けて徐々に時間帯が早くなるという穏やかなトレンドに共通性を見出すことができます。
また、北海道と沖縄で似たようなグルーピングをすることができ、こちらは春は昼型で、夏は夜型になっていく様子が見られます。なお、北海道の10月で急速な変化を迎えていますが、こちらは前回ご紹介した北海道地震による影響が考えられます。