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ドラッグストア市場は8兆5408億円へ!コロナ禍の中でも出店意欲は衰えず

日本チェーンドラッグストア協会(東京都)が取りまとめた『2021年度版業界推計 日本のドラッグストア実態調査(速報版)』によると、2021年度のドラッグストア(DgS)の全国売上高(推定値)は対前年度比6.3%増の8兆5408億円となった。コロナ禍の中でも大手企業を中心に出店意欲は衰えず、DgS市場は成長を続けている。

新型コロナウイルスによってマスクや消毒用アルコールなどの衛生用品は必需品となり、食品も扱うDgSはコロナ禍の中でも生活インフラとして存在感を強めた。i-stock/kumikomini

 2020年1月から続く新型コロナウイルス感染症はDgS企業の業績に大きな影響を及ぼしている。新型コロナウイルスによってマスクや消毒用アルコールなどの衛生用品は必需品となり、食品も扱うDgSはコロナ禍の中でも生活インフラとして存在感を強めた。

 20年は郊外や住宅街立地の店舗は豊富な食品の品揃えによって生活者のワンストップショッピングニーズに対応し、売上が好調に推移した。一方で、入国制限措置によってインバウンド(訪日外国人観光客)需要が消失。外出自粛要請や緊急事態宣言、まん延防止等重点措置などもあって繁華街にある店舗の売上は減少した。

 21年は前年の“コロナ特需”の反動減の影響が大きいものの、新規出店や好調な調剤事業がカバーし、多くの企業が増収基調を堅持した。

 上場DgS企業の業績は、22年2月期・3月期決算の企業は反動減の影響が大きく、21年4月期・5月期・6月期決算の企業は期中の“コロナ特需”によって売上高と利益を大きく伸ばしている。

 21年度(21年5月期~22年4月期)の上場DgS・薬局チェーンの業績は、前年度との比較可能な18社のうち16社が増収となった。

 前年度と比較可能な上場DgS企業12社の増収率を見ると、対前期比5%以上の増収だったのは、マツキヨココカラ&カンパニー(東京都:対前期比34.0%増)、Genky DrugStores(福井県:同15.2%増)、ツルハホールディングス(北海道:同9.3%増/以下、ツルハHD)、薬王堂ホールディングス(岩手県:同8.8%増)、ウエルシアホールディングス(東京都:同8.0%増/以下、ウエルシアHD)、コスモス薬品(福岡県:同6.1%増)、クリエイトSDホールディングス(神奈川県:同5.9%増/以下、クリエイトSDHD)の7社だった。

 営業増益率では、同5%以上伸びたのはGenky DrugStores、マツキヨココカラ&カンパニー、コスモス薬品、ツルハHDの4社だった。

 上場DgS企業の既存店売上高対前期比は、前期実績と比較可能な13社のうち、7社が前期実績を上回った。

 21年度の上場DgS企業の業績で特筆すべきは、ウエルシアHDの売上高がDgS企業としては初の1兆円を突破したことだ。同社の22年2月期(連結)業績は、売上高が対前期比8.0%増の1兆259億円、営業利益は同0.1%増の430億円と増収・営業増益となった。前期下期に前倒し採用した資格者の人件費や、ププレひまわり(広島県)子会社化の影響により販売費及び一般管理費(販管費)がかさみ、営業利益は微増にとどまった。

 ツルハHDも売上高1兆円を射程に入れる。同社の21年5月期(連結)業績は、売上高は対前期比9.3%増の9193億円、営業利益は同7.5%増の483億円となった。期中に138店舗を新規出店したことに加え、ドラッグイレブン(福岡県)のグループ入りで期末店舗数が270店舗純増し、売上高を大きく引き上げた。

 コスモス薬品(福岡県)も増収・営業増益だった。同社の21年5月期(連結)の売上高は同6.1%増の7264億円、営業利益は同13.9%増の331億円となった。期中に78店舗を新規出店した一方で、6店舗を閉鎖。期末店舗数は1130店舗となった。既存店売上高は対前期比2.4%増と堅調だった。

 サンドラッグ(東京都)は増収・営業減益だった。同社の22年3月期(連結)業績は、売上高は同2.3%増の6487億円、営業利益は同8.8%減の340億円だった。売上総利益は感染症予防対策商品の想定以上の反動減があり同1.3%減となったほか、積極的な新規出店と大規模改装を計画的に実施したことなどにより管理費が増加し、営業減益となった。

 スギホールディングス(愛知県:以下、スギHD)も増収・営業減益だった。同社の22年2月期(連結)業績は、売上高は同3.8%増の6254億円、営業利益は同5.6%減の321億円だった。21年12月28日に下方修正した数値からは、売上高や利益が上回る結果となった。マスクなど予防商品が底堅く推移した一方で、日用品や食品が伸び悩み、化粧品の販売苦戦が長引いていることなどを受け、物販の既存店売上高は前期実績を割った。

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調剤が成長をけん引

 日本チェーンドラッグストア協会(以下、JACDS)の『2021年度版業界推計 日本のドラッグストア実態調査(速報版)』によると、21年度のDgSの全国売上高(推定値)は対前年度比6.3%増の8兆5408億円となった(図表①)。16年度は5.9%増、17年度は5.5%増、18年度は6.2%増、19年度は5.7%増、20年度は4.6%増であり、この6年でいちばんの伸び率を示した。なお、21年度の調査対象企業数は382社で、DgS企業数は減り続けている。

 調査開始の00年度に1万1787店舗あった店舗数は、18年度には2万店舗を突破。21年度は2万1725店舗となった(図表②)。

 1店舗当たり売上高は12年度から減少傾向が続いていたが、16年度からプラスに転じ、21年度は3億9313万円となって過去最高を更新した(図表③)。

 店舗の規模別推定店舗数については、「150坪以上300坪未満」が全体の46.0%を占め、「300坪以上」19.2%、「60坪以上150坪未満」19.2%、「30坪未満」8.6%、「30坪以上60坪未満」7.2%と続く。JACDSは「店舗数、店舗規模に関しては狭小商圏化が一段と進み、全体としての規模拡大は調査開始以来続いている。(中略)取扱カテゴリーの増加によるものと思われる店舗の大型化も傾向として継続している」と分析している(JACDS『ドラッグストア業界研究レポート 2022年前期』)。

 『2021年度版業界推計 日本のドラッグストア実態調査(速報版)』とJACDS『ドラッグストアにおける調剤の動向(2021年度JACDS実態調査結果から)』をもとに商品別売上高構成比を算出すると、「ヘスルケア」が18.2%(1兆5571億円:対前年度比6.3%増)、「調剤」が13.7%(1兆1738億円:同9.8%増)、「ビューティケア」が18.1%(1兆5477億円:同0.8%減)、「ホームケア」が22.2%(1兆8967億円:同8.7%増)、「フーズ・その他」が27.7%(2兆3655億円:同7.7%増)となっている。伸び率のトップは「調剤」で、DgS市場の拡大をけん引していることがわかる。

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