新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大の影響が逆風となったコンビニエンスストア(CVS)業態。外出自粛生活やリモートワークの普及により都市部やオフィス街立地の店舗の売上高が激減したこと、それに応じて加盟店支援策を打ったことなどが主要因だ。コロナ2年目の2022年2月期業績は回復を見せたもののコロナ前の水準には戻り切っておらず、中小CVSに至ってはいっそうの苦境に立たされている。
業界トップのセブン-イレブン・ジャパン(東京都:以下、セブン-イレブン)の22年2月期決算は、チェーン全店売上高が対前期比1.7%増の4兆9527億円。業界トップの同社であってもコロナ禍以前の20年2月期(5兆102億円)の水準には回復できていない。
直営店売上高と加盟店からの収入などを合計した営業総収入は同1.5%増の8630億円。しかし、商品粗利益率が同0.3%ポイント減、販管費が同2.8%増となった結果、営業利益は同4.4%減の2230億円と減益となっている。
既存店売上高伸長率は同0.7%増。客数が同1.2%減と前期を下回った一方で、客単価は同1.9%増と、コロナ前の20年2月期比で10.5%も伸びている。全店平均日販については同4000円増の64万6000円で、引き続きローソン(49万8000円)やファミリーマート(51万1000円)よりも10万円以上高い水準を維持している。
ファミリーマートの22年2月期単体のチェーン全店売上高は同2.8%増の2兆8419億円。コロナ前の水準をやや下回っているものの、営業利益に相当する事業利益は同31.9%増の570億円で、20年2月期を超えた。既存店の客数は同1.1%増、客単価は同2.2%増。ともに前期実績を上回ったのは、大手CVS3社ではファミリーマートのみだ。既存店売上高は大雨の影響を受けた21年8月を除くすべての月で前年を上回り、通期では同3.3%増となっている。
ローソン単体のチェーン全店売上高は、同2.1%増の2兆2119億円、営業総収入は同0.1%増の3551億円、営業利益は同1.1%減の258億円。既存店改装などの先行投資により営業利益は前期実績を下回っている。
海外やメディア事業…新規成長策が本格稼働
こうしたなか、
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