縮小市場での混戦にどう立ち向かう? イオン北海道青栁社長が見据える勝ち筋
人口減少と高齢化が進む北海道の小売市場は、道内を地盤とする有力チェーンに加え、ロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)やトライアルホールディングス(福岡県/永田洋幸代表:以下、トライアル)の存在感が強まり、競争環境が一段と激しさを増している。こうした環境下でイオン北海道(北海道/青栁英樹社長)は、2024年10月に西友(東京都/楢木野仁司社長)から承継した店舗の再編・活性化に取り組んでいる。今後の成長戦略について、青栁社長に聞いた。
ロピア、トライアルの勇躍は「大きな刺激」
──北海道はロピアの進出やトライアルの出店攻勢により競争環境が大きく変化しています。どのように受け止めているでしょうか。
青栁 大きな刺激になっています。ロピアは30代~40代の子育て世帯を主なターゲットに据え、精肉や総菜を中心に大型パックの商品を展開しています。1品あたりの単価は比較的高いものの、内容量を多くすることで、トータルでは安さを訴求しているのが特徴です。従来、北海道では、1000円を超える単価の生鮮食品は売れにくいという認識でいました。しかし実際には容量が大きく、商品そのものに十分な価値があれば需要があることがわかり、新しい学びとなっています。
トライアルも従来型のDSから進化を遂げ、単に安さを前面に出すのではなく、プライベートブランド(PB)の強化や売場の刷新を通じて、買いやすさと価値を両立させています。
新規参入が相次ぎ競争は激化していますが、消費者にとっての選択肢が増えることは市場全体の活性化につながります。他社の強みを学び、自社の戦略にどう取り入れるかが、今後の競争力強化のカギになると考えています。

1961年生まれ。83年に信州ジャスコ(現イオン)へ入社し、2007年にはマックスバリュ事業本部東北事業部長、翌08年にイオンリテール東北カンパニー人事教育部長を歴任した。
13年に同社執行役員北陸信越カンパニー支社長、14年に執行役員店舗構造改革チームリーダー、15年にデジタル推進リーダーを務める。
17年にイオン北海道取締役兼執行役員営業本部長を経て、18年から代表取締役社長(現任)に就任。
──近年はディスカウントストア(DS)業態「ザ・ビッグ」の出店を強化しています。
青栁 DS事業は、当社の業績を支える柱となっています。ザ・ビッグでは、ローコストオペレーションを徹底することで、商品価格の引き下げを実現しました。加えて、大容量パックや低価格商品の導入を進め、消費者の生活防衛意識の高まりに応えています。
一方で、単に安さを追求するのではなく、地域ごとの需要に即した商品政策(MD)を組み込むことで、ほかのDSとの差別化を図っています。
──北海道で唯一、総合スーパー(GMS)業態を運営しています。現在の状況と、今後の方向性について教えてください。
青栁 「モノが売れない」と言われる時代で、GMS業態は構造的な課題を抱えていると指摘されてきました。ですが、北海道の消費者のニーズを熟知しているわれわれにとって、
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