西友・楢木野社長が激白！新フォーマットの確立と組織融合の進め方

トライアルホールディングス（福岡県／永田洋幸社長：以下、トライアルHD）のもと、成長をめざすこととなった西友。その陣頭指揮を執るのが、トライアルHDの中核事業会社トライアルカンパニー（福岡県／石橋亮太社長）の会長を務める楢木野仁司氏だ。現在の「トライアル」の礎を築いた1人ともされる楢木野氏は、西友をどのように経営していくのか。

「西友の知名度、ブランド力は予想以上」

──トライアルHDから見た、西友買収のメリットを教えてください。

楢木野　まず、店舗が相互に補完する立地になっていることです。これまでトライアルが出店できなかった首都圏、とくに東京都内での店舗網が一気に増えました。

　プロセスセンター（PC）やセントラルキッチン（CK）などの拠点を補完できるのも利点です。トライアルでは、事業成長のスピードに製造拠点の構築が追いつかず、ムリが生じがちでした。西友の拠点との統合によってこれを緩和できます。

　商品面では、西友のプライベートブランド（PB）「みなさまのお墨付き」はトライアルのPB商品よりやや上の価格帯で、これも補完できる関係にあります。両社のPBを相互に展開できれば、お客さまにそれぞれの価値を伝えられるでしょう。

　一方、トライアルが得意とするリテールテックを西友に導入することで、生産性が改善し、お客さまの買物体験も向上します。メーカー・卸の皆さまにとっても、これまで「リモートワークタウンムスブ宮若」を拠点にトライアルが進めてきたリテールテックの取り組みの影響力が高まり、リテールメディアの領域にいよいよ本気で取り組む動きへとつながるでしょう。

──これまでの西友の経営をどのように評価していますか。

楢木野　西友には、お客さまから長年支持されてきた歴史があります。西友の知名度やブランド力は予想以上に高く、今後もこれを大切にしなければならないと考えています。

　コストマネジメントの観点では、トライアルよりも進んだコスト概念とその実現のための仕組みや体制を持っています。組織体制は本部を含めてシンプルにスリム化され、現場の徹底力も優れています。

　また、米ウォルマート（Walmart）の傘下だったこともあり、EDLP（エブリデー・ロープライス）やEDLC（エブリデー・ローコスト）をはじめとするウォルマートの考え方や文化は広く浸透しています。この点では従来ウォルマートをベンチマークしてきたトライアルとの親和性も高いと感じています。

年内に既存店改装で「ニューフォーマット」確立へ

──西友としての出店の考え方について聞かせてください。

楢木野　8～10年のサイクルで既存店を改装しているトライアルと同様に、

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