データが導いた新たなニーズ 老舗メーカーのみりん大ヒットの理由

北野 裕子 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

リアル店舗の運営にもデータ活用

 データ分析ツールの活用が奏功し、九重味淋の商品としては異例のヒットとなった「こはくの実り」。もともと、石川社長がデータに基づいた施策立案などを重視してDS.INSIGHTを導入していたが、商品開発に導入したのは今回が初めてだった。

 現在は、店舗運営においても導入している。九重味淋は本社敷地内でカフェレストラン「RestaurantCafe K庵」を経営している。DS.INSIGHTには人流を計測できる機能もあり、位置情報を基に特定のエリアや店舗、施設の来訪者の特徴を可視化できるため、店舗の告知や商品展開、運営に生かしたい考えだ。

九重味淋の直営店舗「石川八郎治商店」(愛知県碧南市)で「こはくの実り」を販売する入江氏(左)、清水氏

 LINEヤフーでDS.INSIGHTのカスタマーサクセスを担当する堀川美蘭氏は「データ分析・活用というと、専門的で難しいイメージを持たれやすい。DS.INSIGHTは専門的な知識がなくても誰でも気軽に利用できるのが特徴。今回は商品開発から販路まで一貫して活用できることが示せた理想的なケースになった」と振り返る。

 「こはくの実り」は91日より、800本限定で販売する。

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記事執筆者

北野 裕子 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

兵庫県出身。新聞社を経てダイヤモンド・リテイルメディアに入社し、ダイヤモンド・チェーンストア編集部に所属。

趣味は国内の海や湖を巡り、風光明媚な場所を探すこと。おすすめのスポットは滋賀県の余呉湖、山口県の角島大橋。

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