「焼いて並べる」だけじゃない! 東急ストアに聞いた、出来立てパンを最適な時間に提供する方法
毎月10~15種類の新商品を発売
効率的な製造スケジュールの策定に加え、製造工程の効率化と品質の両立が、パン製造においては重要なポイントだ。
東急ストアでは冷凍生地を活用しながら、同社ならではのオリジナル商品を中心に展開している。たとえば、クロワッサン生地にメロンパンのビスケット生地をのせて焼き上げる「メロワッサン」などがその一例だ。

東急ストアは、「メロワッサン」のようなオリジナル商品に加え、季節限定商品も含めて、毎月10~15種類の新商品を展開する。
同時に、地域の客層や立地条件に応じた品揃えに工夫を凝らす。「ファミリー層が多い郊外店舗ではピザやレーズンブレッドなどが人気だが、駅前立地の店舗では菓子パンや総菜パンの動きがよい」と福島氏が述べるように、地域特性に応じた売れ筋の違いを商品構成に反映している。こうした取り組みに加え、現場の声を商品開発に生かすため、パート従業員からアイデアを募る社内コンテストも設けている。
また、福島氏は近年のベーカリー売場の変化について「現在は衛生面への配慮からパンを袋詰めで提供することが多くなり、従来のように熱々の状態で店頭に並べるのは難しくなっている」と話す。しかし、一部店舗では袋詰めを用いながらも、焼きたて感を訴求したい商品については紙袋を使用し店頭に並べて、可能な限り出来たてを提供するため工夫している。
最後に、福島氏は「現在、東急ストアのベーカリーは約30店舗に導入されているが、今後は新規オープンや改装のタイミングにあわせて、さらに積極的に展開を進めていく。そのためにも、商品力の磨きこみや店舗オペレーションの改善に取り組んでいきたい」と抱負を述べた。





