8月度スーパー3団体統計発表レポート お盆商戦の結果は?

上林 大輝 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

日本スーパーマーケット協会(JSA)、オール日本スーパーマーケット協会(AJS)、全国スーパーマーケット協会(NSAJ)の3団体は9月24日、8月の販売統計調査に関する記者発表会を開催した。定例発表の内容をレポートする。

統計

売上高は29カ月連続で増加

 「スーパーマーケット販売統計調査報告」によると、2025年8月度のスーパーマーケットの総売上高は全店ベースで対前年同月比2.4%増、既存店ベースでは同1.4%増と好調で、23年3月度以降、29カ月連続で前年同月を上回った。24年8月は南海トラフ地震臨時情報発表などで防災関連用品が好調だったことから、25年8月は反動減を受け、前年に比べて非食品の売れ行きが不振となった地域が多かった。

 部門別では、青果が全店ベースで同1.6%増だった。高温が続いたことでオクラ、みょうがなどの季節野菜が好調だった。サラダ関連は好調だった店舗もある一方で、トマトや刃物の品質低下と高値により不調だった店舗も見られた。じゃがいもや玉ねぎなどの土物類も入荷量減少で不調となった地域が多かった。

 鮮魚は同2.2%増だった。生サンマが豊漁でサイズも大きく、売上を大きく伸ばした。また、お盆時期を中心に刺身類が好調だった。一方で、不漁だった生カツオは7月に続き厳しい状況が続いた。

 畜産は同3.3%増となった。相場高が続いているものの、お盆時期は販売が好調に推移した店舗が多かった。牛肉は全般的に高値推移で苦戦しているものの、雨が少なかった影響で休日を中心にBBQ、焼肉の需要があり、8月は好調に推移した。豚肉は比較的安価な輸入豚が販売を伸ばした。鶏肉も同じく価格高騰が続いているが、販売は堅調に推移した。

 JSAの江口法生専務理事は「昨年の南海トラフ地震臨時情報で米や水が急激に売れたため、今年への反動減があった。しかし、全体としてベースが上がっていることに加え、昨年より日曜日が1日多かったことが寄与し、(総売上高が)前年同月を超える結果となった」と振り返った。

主要地域生協の8月度供給高 店舗は横ばい、宅配はお盆に休配を実施

 一方、主要地域生協の8月度供給高速報によると、総供給高は対前年同月比4.1%減の2217億円となった。内訳は、店舗供給高が同0.1%増の835億円、宅配供給高が同6.8%減の1342億円。宅配の減少は、夏季休配を実施した生協の増加により、稼働日数が減少した影響だ。

 店舗供給高では、客数が前年同月に届かなかったものの、客単価は前年同月を上回った。部門別では、備蓄米の取り扱い以降、点単価が減少した米をはじめ、畜産、総菜、日配が前年同月を超えた。

 宅配供給高は、お盆にあたる8月第3週を休配とした生協が増加した影響で供給高が減少となったが、休配未実施の生協は前年を上回っているという。

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記事執筆者

上林 大輝 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

2000年生まれ。埼玉県出身。法政大学文学部英文学科卒業後、地方新聞社の営業職を経て株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。

流通小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部で執筆・編集を行う。

趣味はお笑い鑑賞、音楽鑑賞。一番好きなアーティストは椎名林檎。

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