コープさっぽろの宅配・店舗事業を支えるのが、自前の物流ネットワークだ。物流が競争戦略上の要になるとして、2013年と早期に道内で完全自前の物流網を完成させた。現在、その独自の物流網と蓄積されたノウハウによって、他社の物流受託やコンサルティングを行うなど、物流事業がコープさっぽろの次なる成長の柱の1つになっている。
サツドラや無印の物流を受託するまでに
コープさっぽろが物流の潜在的可能性に着眼したのは2000年代の初め。大見英明理事長が以前からベンチマークしていた英食品スーパー最大手のテスコ(Tesco)を視察に訪れ、その強さの基盤にあるのは物流網だと感じたことがきっかけだ。
その後、物流の自前化に乗り出す。食品小売企業の大半は物流センターの運営を卸や物流事業者に委託していたが、コープさっぽろは先進的なバローホールディングス(岐阜県)の田代正美会長に依頼し、物流センターを視察することで物流自前化の先行事例を積極的に学び、独自の物流網を構築していった。
大見理事長は「業務委託ではコスト削減ができず、物流改善を図ってもその収益効果は改善先に発生し、組織には還元されない。肝となるのは物流の“完全”自前化だ」と話す。
12年には、コープさっぽろの基幹物流を担う関連会社として北海道ロジサービス(北海道/岩藤正和社長)を設立。輸送方式として「ハブアンドスポーク」(※1)を採用し、13年には中心拠点の「江別物流センター」(北海道江別市)と、道内22カ所に配置した物流センターによって、コープさっぽろの店舗109店と宅配センター51カ所すべてに商品供給が可能な完全自前の物流網を完成させた。
※1:「ハブアンドスポーク」=中心拠点(ハブ)に貨物を集約させ、各地域の拠点(スポーク)に運ぶ輸送方式
この全道を網羅するコープさっぽろの物流ネットワークは、完全自前だからこその柔軟性を発揮している。たとえば13年からは、
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