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激変小売マーケティング「ターゲットショッパー」の設定方法

前回は戦略設計の6つの軸を紹介した。今回はターゲットショッパーに関する2つのビジネスクエスチョン、①ターゲットとするショッパー、②ターゲットであるショッパーが店にどのような機会をもたらすか、について詳しく解説していきたい。

どのような顧客を中心に向き合っていくのかが決まると、おのずとマーチャンダイジングに一本筋が通り、一貫性のある施策が導かれる(andresr/istock)

 先に断っておくが、本連載の目的の1つは「欧米のリテールマーケティングの教科書の紹介」にある。したがって日本の実情と合わない点があることを認識のうえで、まずは読み進めていただきたい。合わない点は考え方の違いというよりも「データの有無」によるものだ。

 なお、ここでいう戦略とは「向かうべき方向を定めるためのもの」である。この後、分析テンプレートのサンプルなどが出てくるが、そういうものを見てしまうとどうしてもそこに書かれた指標や数字にこだわってしまいがちだ。

 そうではなく、表で整理をして比較検討をすることで、自分たちの違い、自分たちの強みと弱みを知り、それらを伸ばすのか強化するのかの方針を決めることが戦略設計である。

自分たちの顧客構成を知る

 まずは、シンプルに自分たちの顧客層を知るための比較分析からスタートする。

 最初のビジネスクエスチョン(=ターゲットとするショッパー)のサブクエスチョンは、①ターゲットとするショッパーは誰か、②そのターゲットショッパーにリーチできているか、である。

 ここではグロサリーを基本に考えているので、ターゲットショッパーといいながらも「ターゲットとなる世帯」をベースに考えている。商品カテゴリーが異なれば世帯よりも個人が適している場合もある。

 図表❶

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