「睡眠促進」という新たな商品トレンド
びっくりした。心から驚いた。私が高級腕時計を外して3年が経つ。きっかけは、リモートでのコンサルティングが増え、コロナ禍でむしろ忙しくなった私を見た小学生の長男からの一言だった。「仕事をするより長生きしてくれるほうが、僕たちのためじゃないの」。私はスマートウォッチに切り替え、体の状態や睡眠時間を記録することにした。とくに睡眠と、運動や食事、風呂との関係を分析するようになった。やはりよく眠っていると仕事の効率も上がる。疲れることも少ない。
アマゾンの創始者ジェフ・ベゾス氏は、朝の10時から夕方の5時までしか仕事をしないという。8時間ぐっすり眠って、頭がクリアな状態で意思決定を行うのだ。世界有数の大富豪は、それが最も生産性が高いと考え実践しているのである。
そして先日、知人から3万3000円もする枕を勧められ買ってみた。商品名はここでは省くが、コロナ禍前だったら購入しなかっただろう。効果はさほど期待していなかったが、使用後、明らかに睡眠の質が変わった。枕一つでこんなに違うのか。そして日常が変わるのか。というわけで、冒頭の一言が口をついて出てきたわけである。
コロナ禍で「内省」が進み、睡眠という人間活動の根本に人々が興味を持ち出したのは当然といえるだろう。かねて日本人が睡眠時間を十分に確保できていないことは、さまざまな調査において、諸外国のデータと比較しながら指摘されてきた。また、コロナ禍で恒常化した在宅勤務は、生活リズムを崩しがちでもある。
「よく眠る」──。原始的ともいえるこの欲求を満たすための「睡眠促進商品」は、1つのトレンドとして押さえておくべきだろう。
脚光を浴びる「CBD」関連商品
そうしたなかでとくに注目したいのが、
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