基本的なこととして、「数字の読み方」が間違っていると思われる事例を驚くほどよく見かけます。教育・訓練を受ける以前のレベルの問題で、本当に初歩的な誤りや間違った解釈をもとに間違った結論を導いているケースがあります。そこで今回は、「数字の読み方」について、注意すべき「基本のキ」についてお話しします。
まず、数字を見て判断するために、必要なこととはなんでしょうか?
たとえば、「60%の消費者がこの商品を購入したいと答えました」という事実がわかったとしましょう。このとき「60%」はすごい事実なのでしょうか?
まずは、この60%に意味があるかどうかを確認しなければなりません。たとえば、これが5人に聞いただけでそのうちの3人が購入したいと答えたというのであれば、かなり“眉唾”な60%です。
次に、多くの人数(「統計的に有意な人数」という言い方をします)、たとえば100人に聞いたときも60%という数字だけでは判断できません。自社のほかの商品や、同じカテゴリーの競合商品と比較して、その多くが30%程度だったとすれば、この「60%」はかなり高い割合の人が買いたいと答えているとみなすことができます。
つまり比較対象がなければ判断はできません。そして、その数字が高いのか低いのかを判断できないと意思決定はできないのです。
85%と78%はどっちが大きい?
では、85%と78%はどちらが大きいでしょうか。
どうみても、数字上は85%のほうが78%より大きいです。しかし、マーケティングデータについてはすぐにその判断を下してはいけません。
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