ローソン 次世代コンビニDX AI活用による個店の最適化・「個店データドリブン経営」の未来

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個店毎のデータドリブン経営を目指していく

 「店舗運営支援AI」を活用した個店最適化の取り組み事例を紹介する。1つ目の事例では、A店におけるアイスの売上増へのアプローチを紹介する。天井のカメラから、アイスの売場を4ブロックに分けて、顧客の接触率のデータを取得。そのデータから人気の高いクリーム系アイスを最も手伸ばしが多い位置に配置し、顧客の通過が多いオープンケース側に高単価商品を配置する売場変更を行い、客単価増を実現した。

アイス売上増への施策立案
アイス売上増への施策立案

 2つ目の事例では、訴求力の高い1buy1施策商品(ソフトドリンク)を、B店の売場の どこに配置すれば、最も売上向上に貢献するかを検証。店舗の通過エリアに着目し、顧客の店内行動と客単価をベースに、ターゲット顧客の選定と配置場所候補の絞り込みを行った。
 ソフトドリンクエリアを通過していない顧客をターゲットに選定して、動線分析、時間帯別エリア通過の多少を鑑みて、最も目につく「まちかど厨房」の横のエリアを配置場所に決定した。ポイントは、配置場所は店舗毎に異なり、対象商品が変われば該当場所も変わる点である。
 一般的にCVSでは店舗を周回する顧客ほど客単価が高いとされていたが、特定エリアのみ通過している顧客と周回する顧客の客単価に大きな差がない事が判明。店舗を周遊しなくとも「ついで買い」を促す棚配置にし、客単価向上を促す施策を実行した。店舗に新しい気付きを与えられ、反響も大きかった。

 このように「店舗運営支援AI」によるPDCAサイクルは店舗売上向上に貢献できることから、全国への展開を目指している。今後は①売上寄与の金額化の精度を高め、確度の高い施策を高速で回し、②AIへの施策インプットを重ね、効果の高い施策を明確な理由をもって提案し、③活用店舗の拡大によるAIの学習を深化させることで横展開を加速していく。個店最適化による店舗経営だけでなく、「お客様にとって欲しい商品が見つかる」システムをさらに進化させ、次世代の新たなCVSづくりを目指していきたい。

※このレポートは2022年11月29日に配信した「DCSオンラインカンファレンス」の講演内容をダイヤモンド・リテイルメディア流通マーケティング局がまとめたものです。

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