ボックスで不要品を回収し再循環 各地で広がる「PASSTO」とは?
不用品をボックスなどで回収し、再流通させるサービス「PASSTO(パスト)」が広がりを見せている。小売店や公共施設に設置した青いボックスで衣類を中心に不要品を回収し、リユースやリサイクルにつなげる取り組みだ。開始から3年で設置数は伸び続け、エリアも拡大しつつある。どのような仕組みで運営されているのか、運営会社であるECOMMIT(鹿児島県)の川野輝之社長に話を聞いた。

「循環商社」を標榜し回収から再流通までを一気通貫で担う
ECOMMITは鹿児島県を本拠に、2007年に創業したベンチャー企業だ。「循環商社」として、不要品の回収・選別・再流通を一気通貫で行っている。17年以上にわたって事業を手掛けてきたが、23年に新たなサービスとして「PASSTO(パスト)」をスタートした。
PASSTOはPASS TOを短縮した造語で、「次の人に渡す、未来につなぐ」という意味を込めた。回収するボックスも、誰かに届けるというイメージを持たせるため、手紙を届ける郵便ポストをモチーフにデザイン。目に入りやすいようにボックスの色は真っ青にしている。
PASSTOの仕組みはこうだ。小売店や商業施設、公共施設にボックスを置き、通行人や来店客から不要品を集める。対象となるのは約20種類のアイテム。衣類全般のほか、腕時計やカバンなどのファッション雑貨、おもちゃなど幅広く回収する。回収後はECOMMITの循環センターで選別し、同社のネットワークを通じて再流通させる流れだ。汚れが酷いものや壊れているものは回収の対象外となる。服飾雑貨については回収量に応じて、ECOMMIT側から設置者に買い取りを行っている。

回収した不用品は、ECOMMITが運営する全国8カ所のサーキュラーセンターや物流拠点に届く。その後、各センターにいる「プロピッカー」が不要品を10カテゴリー、123品目に選別。100を超える国内外の取引先と連携し、リユースやリサイクルを通じて再流通させる。
サービス開始以降、PASSTOの回収拠点は着実に広がりつつある。同社ではPASSTO以外にも、イベント会場や店頭などにも回収拠点があり、拠点数は25年6月時点で全国約4500カ所。食品スーパーやショッピングモール、ホームセンター、コンビニエンスストアといった小売店のほか、マンション共用部や郵便局、JR東日本の一部の駅などで導入が進んでいる。






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