MonotaRO、16期連続の増収増益 好業績を支える大企業のシェア獲得

小笠原 玲 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)
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事業者向けに工場用間接資材のネット販売を行うMonotaRO(大阪府/田村咲耶社長:以下、モノタロウ)は2024年12月期決算で16期連続となる増収営業増益を達成した。とくに大企業向け購買管理システム事業は大きく売上高を伸ばし、対前期比27.9%増となった。個人および中小事業者向けのサービスから始まった同社は、大企業のシェア拡大を加速させている。

販売戦略を事業規模で分類

MonotaROの田村咲耶社長
MonotaROの田村咲耶社長

 モノタロウの2024年12月期の売上高は2881億円(対前期比13.3%増)、営業利益371億円(同18.3%増)で、16期連続となる増収営業増益を達成した。

 同社の国内事業は、事業者向けネット通販事業、大企業向け購買管理システム事業、ロイヤリティ事業の3つがある。事業者向けネット通販事業の売上高は同8.0%増の1900億円となった。増収となった要因として、能登半島地震の発生や南海トラフ地震臨時情報の発表により防災関連の需要増などが挙げられる。

 同社は顧客の事業規模により「Micro」「Small」「Mid」「Large」に市場を分類し、個別に販売戦略を展開している。25年に注力するのはLarge領域のシェア拡大だ。市場規模についてこれまで同社は5兆円以上と認識していたが、24年に改めて市場分析を行ったところ実際は8兆円以上で、想定より大きいことが明らかとなった。

 同時に、顧客の事業規模が大きくなるほど、同社のシェアは低くなることがわかった。同社は成長余地が大きいLarge領域で、現場営業活動の強化や、配送日時指定などの大企業向けの施策を行う。

 また、Small、Mid領域のネット通販事業の成長も重要な課題に挙げる。同領域は23年以降、成長率が低下している。この状況を打破するため、22年を最後に発行停止していたカタログを再刊する。新規顧客にアプローチをするとともに、既存顧客の購入品の幅を広げるような販売促進に取り組む。

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記事執筆者

小笠原 玲 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

早稲田大学文学部(ドイツ哲学専攻)を卒業後、教育系の編集プロダクションで国語の入試問題の制作を担当。2024年、ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。

休日の大半を台所で過ごすほど、無類の料理好き。得意な料理は、出汁巻き卵と切り干し大根の煮物。料理研究家の土井善晴氏を尊敬している。

趣味は、ミニシアターで映画をみること。音の大きな映画が苦手で、日常を切り取ったような変哲のない映画やドキュメンタリー映画を好む。見た作品のリーフレットを持ち帰り、コレクションしている。

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