2025年度までの中期経営計画の目標に「食品スーパーで業界ナンバーワン」「ネットスーパーで業界ナンバーワン」を掲げ、着実に経営改革を進める西友(東京都/大久保恒夫社長)。価値の創造や営業利益の向上を重視し、25年度までの目標としていた営業利益倍増は23年度に達成した。24年度以降は中計の新たな戦略ステージとして「デジタルマーケティング業化」を掲げ、データを活用した経営改革を進めている。6月下旬、西友がメディア向けに発表した中計の進捗と、直近の取り組みについてレポートする。
安さ重視から価値創造へ
08年以降、米ウォルマート(Walmart)の完全子会社だった西友。21年3月、ウォルマートが15%の株式を残し、65%を米投資会社のコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に、20%を楽天グループ(東京都)に譲渡した。この新体制以降は、成城石井(神奈川県)の社長やセブン&アイホールディングス(東京都)の取締役を歴任した大久保恒夫氏が代表取締役社長に就任し、経営改革を推進してきた。ウォルマート傘下ではEDLP(エブリデー・ロープライス)を武器に売上を伸ばす戦略をとってきた西友だが、大久保社長は価値を上げる方向にシフトした。大久保社長は「ディスカウントに走るのではなく、お客さまが満足する価値を創造し、生産性を上げることが売上を上げ、さらには営業利益を高めることにつながる」と話す。
西友が価値創造のための2本の柱とするのが「商品力」と「販売力」だ。これらを強化することで利益を創出し、成長投資を可能にするサイクルを回していくとしている。
まず「商品力」では、オリジナル商品の強化やデータを活用したプロモーションを実施し、かつてのように安さだけでなく商品の質にもこだわり、その魅力を訴求するようにした。
「販売力」については、
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