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複数の選択肢から最適な案を選択する「決定分析」の技法

①複数の選択肢から最適な施策を選択する

 これまで見てきた「現状把握(SA)」「問題分析(PA)」に続き、今号では「決定分析(DA:Decision Analysis)」の技法を詳しく紹介したい。

 問題を定義し、その原因を的確に把握した後に求められるアクションは、精度の高い意思決定である。精度の高い意思決定を行うには、さまざまな選択肢を考慮したうえで、その中から最適な施策を選択しなければならない。

STEP1 決定のための目標を定める

 決定分析の最初のプロセスは、決定を行うための目標(=基準)を定めることである。「この決定は何を実現するために行うのか」を明らかにしたうえで、目標を定めていく。目標は、「絶対に必要な目標(絶対目標、MUST)」と「望ましい目標(希望目標、WANT)」の2つからなる。

決定を行うための目標は、絶対目標(MUST)と希望目標(WANT)からなる。絶対目標を満たしていない実施案は、検討することなく棄却する。本稿では中途採用を事例に説明した(写真はイメージ、portishead1/iStock)

 絶対目標は、その目標を満たさないのであれば、検討の余地もなく棄却されるという基準である。仮に、ある中途採用試験で「当業界で2年以上の管理職経験があること」という条件が付されていたとする。この2年以上が、絶対目標なのか、あるいは希望目標なのかは、何のために管理職経験が必要なのかによるだろう。たとえば、当該企業で

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