問題分析の定義と技法
5月15日号では、合理的意思決定技法の代表である「KT法」の概要を示すとともに、4つの領域の1つ、「状況把握」を紹介した。本号では、「問題分析」の技法を詳しく紹介したい。
問題分析(PA:Problem Analysis)は、課題の原因を究明するプロセスである。どのような課題でも、その原因(課題が発生する因果関係)を分析しない限り、根本的な解決にはつながらない。KT法は、問題分析において、「なぜ」「どうして」という漠然とした質問を用いないように促している。以下具体的にみていこう。
KT法では、問題を明白に定義している。すなわちKT法における問題とは、「期待する成果が達成できていないのに、その原因がよくわからない状態」である。図表❶に、この定義に基づく問題の構造を図示した。
過去の一定期間、あるべき姿、期待する成果を維持していたにもかかわらず、ある時点から現実の姿があるべき姿から乖離し、差異が生じている状態が示されている。問題分析の出発点では、この差異が、何によって、いつ起こったのか正確にはわかっていないのだが、原因を究明するには、成果の低下を引き起こした特定の「変化」を探し出すところから始めなければならない。
問題分析5つのステップ
問題分析は、大きく以下の5つのステップからなる。
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