コスモス薬品(福岡県/横山英昭社長)は2022年10月末、千葉県千葉市に「ディスカウントドラッグコスモス打瀬店」(以下、打瀬店)をオープンした。関東でも郊外への進出がメーンである同社にはめずらしく、高層マンションが立ち並ぶ「幕張」エリアへの出店である。
立地条件は一見悪いものの、コスモスならではの策略が
千葉・幕張といえば、流通関係者であれば同地に本社を構えるイオングループをすぐに思い浮かべることだろう。そんなイオンのお膝元に昨年10月29日、フード&ドラッグの先鋒・コスモス薬品が打瀬店を開業し進出した。
筆者は調査前にあらかじめ地図アプリで場所を確認したのだが、店舗が位置するのは幕張エリアの中心部からやや離れた、花見川沿いの防風林に囲まれた遊休地。「こんな立地で勝負できるのだろうか…?」と少し不安を覚えるような場所だ。一般的には出店を躊躇する立地だが、コスモス薬品にとっては、十分条件を満たしているのだろう。こうした出店選択肢の広さは、同社の大きな武器である。
店がある「打瀬」という場所は幕張新都心の一角を占め、高層マンションを中心とした住宅の比率が多いエリアである。現在約8700世帯/約2万5000人が居住し、年齢別構成比では40~50代が多いようだ。電線は地中化され、石畳風の道路にヨーロッパ風のデザインの建物が並ぶというユニークな雰囲気の街である。
打瀬店はそこからさらに外れた場所にあり、最寄駅のJR京葉線「海浜幕張」駅からは徒歩20分ほどの距離。周囲には食品スーパー(SM)やコンビニエンスストア(CVS)は少なく、400mほど離れた場所に同業の「くすりの福太郎幕張ベイタウン店」がある程度だ。
打瀬店近くのマンションに住んでいる30代の主婦に話を聞いてみると、
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