コスモス、クスリのアオキ…勝ちパターンで高速出店するフード&ドラッグの強さと死角とは
食品小売への影響はいちだんと大きく
他方で、フード&ドラッグに食マーケットを日々侵食されている食品小売も、そうした彼らの“成長の死角”にこれ幸いと安堵している余裕はない。なぜなら、フード&ドラッグが生き残りをかけて価格訴求あるいは食品の専門性をさらに高いレベルで追求するようになったとき、これまで以上の影響を受けることになるからだ。
とくに地方の中小SMでは、マーケットの縮小(人口減少・高齢化)や、昨今の経営コストの高騰、人手不足といったさまざまな問題を抱えるなかで商品力や価格競争力を低下させている企業も少なくない。そうした企業は早晩、フード&ドラッグに呑み込まれてしまうだろう。もちろん、中堅以上のSMにとっても他人事ではない。
まとめると、フード&ドラッグは各社が出店攻勢をかける一方で、店舗飽和と同質化という課題にいずれ直面することになる。そこで勝ち残るために、価格のさらなる追求あるいは生鮮を中心とした品質や品揃え拡充といった“武装”をより強める。そしてそのフェーズでは、これまで以上にフード&ドラッグとSMによる競争が苛酷になる可能性が高いということだ。
フード&ドラッグの台頭が始まって久しいが、競争環境はここにきて大きく変化しようとしている。
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