楽天と協業するベイシアのネットスーパー 実店舗との合算売上を重視する理由とその戦略
群馬県を本拠とし、幅広いエリアでスーパーセンターをはじめ複数の業態を展開するベイシア(相木孝仁社長)。同社は楽天グループ(東京都/三木谷浩史会長兼社長:以下、楽天)と協業してネットスーパーを展開。実店舗と一体で企業全体の売上拡大に取り組んでいる。
22年12月には最高記録を更新
ベイシアは2022年1月、楽天のネットスーパー向けプラットフォーム「楽天全国スーパー」に「ベイシアネットスーパー」を出店した。この1年で群馬県、埼玉県、千葉県の14店舗に対応店舗を増やし、23年度には22年度以上に導入店舗を増やす計画だ。
ネットスーパー導入の主な目的は、ロイヤルカスタマーへのサービス深耕である。店舗に加え利便性の高いネットスーパーも利用してもらい、顧客の「ベイシアファン化」をより進めたい考えだ。現在は積極的にネットスーパー拡大を図るベイシアだが、以前はその導入に踏み切れないでいた。理由は、大きな投資が必要な一方で、それに見合う売上が見込めるか不透明だったからだ。
そのベイシアが「楽天全国スーパー」への出店を決断した理由の1つは、初期投資がほとんどかからないことにある。そのほか、楽天会員からの集客が期待できる点やネットスーパー事業のオペレーションのノウハウの提供を受けられることも大きな理由だ。
楽天からはベイシアが要請した項目についての分析結果が週ごとに提供されるほか、毎週のミーティングで課題解決策や販促の成功率を高める方策などを話し合う。こうした話し合いからスーパーマーケット共通の課題が楽天に多く伝われば「楽天全国スーパー」の仕組みは磨き上げられていき、出店企業が増えれば検索アルゴリズムが的確化し、利用者にとってより使いやすくなる。こうした点も、ベイシアが楽天との協業を決めた理由の1つだ。

ベイシアの本拠地である群馬県では当時、ネットスーパーがほとんど浸透していなかったことから客数が思うように伸びなかった。しかし、22年夏、
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