絶好調オイシックス、22年3月期予想が上振れ期待大の理由と意外なライバルの登場とは

棚橋慶次
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上期進捗率からみてさらなる上振れ期待大

 通期業績予想について同グループは、売上高1050億円、営業利益50億円、純利益30億円の期首予想を据え置いた。この据え置きは、進捗率がそれぞれ53.5%・66.9%・71.9%であることを考えると、かなり保守的なスタンスといえる。

 売上高に関しては、高止まりしているARPU(1ユーザーあたりの平均売上)が今後低下する懸念はあるものの、以下のポジティブな要因も考えられる。

  • 会員数:年間目標の4万8000人増に対して上期時点で3万9000人と進捗率8割を超えている。
  • 競合:大地を守る会、らでぃっしゅぼーやの合併で、プレミアム宅配事業に敵は見当たらない。
  • 季節性:毎年10-12月期はおせちやギフトにより売上が上乗せされる傾向にある

 利益面では、冷蔵物流拠点として新たに建設した「New ORL 海老名ステーション」の稼働に伴うコスト増要因が考えられるが、売上伸長に伴う粗利益増で充分吸収できる。これらを踏まえると、通期業績は売上・利益とも上振れが充分に期待できるとみてよいだろう。

 これまでのところ追い風が吹くオイシックスだが、この先は潜在的会員数の頭打ちなども懸念される。ドイツに本拠を置き、ヨーロッパを中心に世界10カ国以上でオンライン食材キット宅配サービスを提供する「ハローフレッシュ(HelloFresh)」の日本進出なども不安材料だ。オイシックスが間断ないマーケティング・物流投資を維持しつつ、持続的な成長を今後も確保できるか、正念場の時期は意外と近いかもしれない。

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