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Netflixのコンテンツ戦略 ウォルマートと提携した 深い意味とは

ネットフリックスが開設した自社EC「Netflix.shop」
ネットフリックスが開設した自社EC「Netflix.shop」

Netfilxが自社ECを開始

 サブスクリプション型の動画配信サービス「Netflix(ネットフリックス)」で配信されている韓国ドラマ『イカゲーム』が、にわかに人気を集めている。金銭的に困窮する男性が、大金を求めて奇妙なデスゲームに参加するというストーリー。その内容は日本の人気漫画に類似した点も多く、実際に監督もそのことを認めている。

 さて、同ドラマは資本主義社会の格差と葛藤を描くという側面もあるが、ドラマの外では完全に資本主義的な戦略がとられている。日本ではあまり報じられていないが、Netflixは今年6月、公式ECサイト「Netflix.shop」をオープンし、ここで人気コンテンツの関連グッズを販売している。

 同サイト上ではもちろんイカゲームのグッズも展開されており、ドラマのセリフにひっかけて「掛け金(価格)は高くないぜ」といったコピーとともに、多数のTシャツが販売されている。ちなみにNetflix.shopではこのほか、有名デザイナーやアパレルブランドとのコラボ商品もあり、日本からはビームスが参加している。

 Netflixは作品をただ配信するだけでなく、関連グッズも販売することで、ユーザーに作品の世界観により没頭してほしいと考えているようだ。たしかに、気に入った作品のグッズを手に入れたいと思うユーザーは少なくないだろう。Netflixはまず米国向けにNetflix.shopを展開しており、今後数カ月のうちに他国へ広げていく計画だという。

 なお『イカゲーム』の全世界公開は2021年9月17日、それからすぐにECサイト上でグッズ販売が開始されている。これは同作がヒットすることを予見して、綿密に準備を進めていたと考えるのが妥当だろう。

 誰もが知るとおり、IP(intellectualproperty:知的財産権)は最強の武器である。オリジナルコンテンツを多数有するNetflixは自社ECの展開によって、コンテンツプロバイダーからプロダクトプロバイダーとしての機能も手にしたことになる。

ウォルマートとの提携の意味

 そして10月、さらに興味深い発表があった。米ウォルマート(Walmart)がNetflixとの提携を発表したのだ。

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