中小企業のオフィスニーズ捉え福利厚生にまで踏み込む!イケア、本気のBtoBビジネス強化とは

2021/11/19 05:55
湯浅 大輝 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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ビジネスオーナーら1200人を調査、ニーズを探る

IKEA BUSINES NETWORK開始にあたり、イケア・ジャパンは、全国の週1日以上テレワークを行う会社員と経営者、総務担当者約1200人にアンケート調査を行った。コロナ禍で変化したオフィス環境の実態と、彼らが何を求めているか知るためだ。

その結果、90%が時間を有効活用できるという理由からテレワークにメリットを感じているが、85%がコミュニケーション不足によるデメリットを感じている、という知見を得ることができた。

「多くの人が、『テレワークをしながら、出社もしたい』と考えていることが分かりました。同時に、ニューノーマル時代のオフィス需要には『心の密』が必要不可欠であることも明らかになりました」(佐川氏)

イケア本社(千葉県船橋市)のオフィスには、入ってすぐに#Collaboration という、大人数でのミーティングが可能なスペースがある。階段とソファーを組み合わさった、大人数での話すことができる空間だ。リラックスできるよう、レゴなどのおもちゃもある。「心の密」を埋めるには最適な場所だ。

また、中小企業の経営者・総務担当者の約7割が「今後もテレワークを続けたい」と答えたという。ニューノーマル時代の働き方を実現するために、約半数がコロナ禍でオフィスのレイアウト変更やリフォームを検討していることも明らかになった。

イケア本社では、コロナ禍で出社頻度が減り、オフィスのレイアウト変更を実施。#FOCUSと呼ばれるレポート執筆など集中を必要とする作業をする際に従業員が使用する空間では、イケアの商品で防音効果のある「エイリフ」という自立タイプのスクリーンが用いられる。

デスク、椅子は長時間の作業に耐えられる人間工学に基づいたデザインの商品が本社でも使用されている。法人向けビジネスを拡大する上で、「隗より始めよ」の精神で、本社のオフィス空間のデザインもニューノーマル時代に適したものになったのだ。

アンケートの結果、スモールビジネスがリフォームで重視する点は「費用(70.8%)」、「可変性(30.3%)「サステナビリティ・品質の重視(28.5%)」と、価格に対する懸念が多いことが分かった。

佐川氏は「『IKEA BUSINESS NETWORK』は、メンバー限定価格が適用され、かなりお得にお買い物ができる。今後は、工務店と組み、キッチンのリフォーム需要を掴みたい。イケアのキッチンを導入したいと言って下さる飲食店やオフィスのオーナーさんは数多くいる」と意気込みを語った。

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記事執筆者

湯浅 大輝 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1996年生まれ。シンガポール出身。同志社大学グローバル・コミュニケーション学部卒業後、経済メディアで記者職に就く。フリーライターを経て、2021年12月ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。大学在学中に1年間のアメリカ・アリゾナ州立大学への留学を経験。好きな総菜はローストビーフ、趣味は練馬区を散歩すること。

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