ライフ、加速する京都戦略とは? 保守的な市内中心部への初出店が号砲!

森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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ライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長、以下、ライフ)は、京都市内の出店を加速する。今年9月、ビジネス街の烏丸エリアに新店を投じたのを起点に、今後は毎年、店舗網を拡大。大阪市内では都心部の店舗展開で実績を重ねており、そこで構築したノウハウを活用し京都マーケットのさらなる深耕をめざす考えだ。

連日、多くの来店客で賑わう

 ライフは今年9月15日、京都市内に「ライフ四条烏丸店」をオープンした。メインストリートのひとつ、四条通に面しており、大企業や金融機関の支店、事務所が集積するビジネス街の烏丸エリアからは西500mの至近にある。

ライフ四条烏丸店
ライフが初めて京都市中心部に投じた四条烏丸店。来春を予定するホテルの1階に店を構える

 周辺は、京都市でも「田の字地区」といわれる注目エリアの一角。四条烏丸交差点を中心とした地域で、量販店向けのまとまった物件が出にくいうえ、保守的な土地柄で知られる。近年のホテル建設ラッシュに伴い地価も高騰、これまで地場企業による小型店はあっても売場面積300坪以上の本格的な食品スーパー(SM)はほとんどなかった。

 ライフが店舗を構えるのは、来春、開業を予定する高質ホテルの1階部分である。物件は間口に比べて奥行きが深い、京都特有のいわゆる「うなぎの寝床」の形状。売場面積は1205㎡、地域特性を考慮してレギュラータイプのライフよりもこだわり商品を積極的に取り入れたほか、落ち着いた内装を施している。

 オープン後は計画以上の利用客で連日、賑わいを見せる。10月下旬現在、早くも初年度目標に設定した19億円をクリアすると見られ、同社では強い手応えを得ている。

 ライフは今回の物件をどれほど前から準備してきたのだろうか。「実は、20年近く前から出たいと考えていた場所」。こう明かすのは、

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記事執筆者

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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