第25回 幹部候補生育成のための教育体系の立案

桜井多恵子
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スーパーマーケット再創造

人材の代謝を促す教育プログラム

 上場スーパーマーケット(SM)企業31社の社員平均年齢は41.2歳と、数あるフォーマットのなかでも最高齢だ。しかも年々その数値は高まっている。つまり、SM業界は人材の新陳代謝が進んでいないのである。この事態を放置すればますます平均年齢は高まり、その弊害は計り知れない。

 まず、人件費が高騰する。業務内容に変わりはなくても在職年齢給制度なら、退職しない限り給与は上がり続ける。今後かつてのようなペースでの店数の増加による成長は見込めないから、組織を高い年齢層の社員が支えている構造では新規採用は控えざるを得ない。

スーパー イメージ
SM業界は人材の新陳代謝が進んでいない。この事態を放置すればますます平均年齢は高まり、その弊害は計り知れない。千葉で2020年5月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

 幹部が高齢化すると経営が保守化するのが常だ。これまでの経験から逸脱することを望まず、改革が進まない。経営環境が変化していることに気付いていないことも少なくない。また、数値の悪化をこれまでの経験による法則だけで乗り切ろうとするから無理がある。よりよい方法を今から学ぶような意欲も消え失せている場合が多い。

 その点、新卒の定期採用を途切れさせず、次世代の幹部候補生を計画的に育成するプログラムを構築し、入社以来例外なくその教育ルートに乗せれば、人材の新陳代謝は自然に進む。

 教育計画は

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