大手食品卸の日本アクセスが「総菜とEC」を強化する理由と勝算とは 佐々木淳一社長が語る

聞き手:阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
構成:松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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卸売業150社大

食品卸大手の日本アクセス(東京都)は、以前から強みとしているチルド・フローズンの強化を図りつつ、菓子や酒類などのドライ商品も拡大し、「フルライン化」を進めている。また、総菜では「デリカ管掌」を新たに設置し、各業態への提案や商品開発にシームレスに対応可能な組織体制の構築にも取り組む。直近の動向や今後の戦略について、佐々木淳一社長に聞いた。

「巣ごもり疲れ」で総菜が回復

──コロナ禍の業績についてどのように見ていますか。

日本アクセス代表取締役社長 社長執行役員 佐々木淳一氏
ささき・じゅんいち●1955年11月26日生まれ。79年3月、神戸大学経済学部卒業後、伊藤忠商事に入社。同社リーテイル資材部ポリプロピレン課長、合成樹脂部長、上海伊藤忠商事総経理などを経て、2008年4月執行役員中国総代表補佐、10年4月常務執行役員中国総代表、11年4月常務執行役員アセアン・南西アジア総支配人。16年6月、日本アクセス代表取締役社長に就任(現任)

佐々木 2021年3月期の業態別売上では、コロナ禍の特需を受けた食品スーパー(SM)やドラッグストア(DgS)が大きく伸長しましたが、外出自粛や在宅勤務の普及、営業時間の短縮・休業などの影響を受けたコンビニエンスストア(CVS)や飲食店は不調で、全体としては減収減益となりました。一方、22年3月期第1四半期では、「収益認識に関する会計基準」が適用されたことから純粋な比較はできませんが、増収増益となっています。CVS向け売上は対前年同期比4~5%増と回復しており、飲食店も昨年の数値はクリアしています。また、SMやDgSなどは昨年好調だったことから反動減があると見込んでいましたが、いざ結果を見ると同3~4%増で全体を牽引しました。

──SMやDgS向け売上の反動減はなかったのですね。

佐々木 はい。ただ、その中身は変わっていると感じています。とくにSMでは、昨年の上期は家庭での調理ニーズが高まったことから調味料や粉物などが好調だった一方、総菜は衛生面での不安によりバラ売りができなくなったことから不調でした。ところが、今年は消費者が「巣ごもり疲れ」をしたのか、総菜の売上が回復し始めています。また、飲食店のテイクアウトを利用する人も増えました。SMや飲食店の出来立て感のあるメニューを楽しみたいというニーズが去年より高まっているのでしょう。

──総菜のニーズが伸長するなか、小売各社への提案や商品開発などにはどのように取り組みますか。

佐々木 従来は生鮮と総菜を1つの部署で管理していましたが、21年4月に新たに「デリカ管掌」を立ち上げました。今後はSM向けの総菜やCVSの中食、飲食店向け商材のシームレス化が進むとみています。これからは異なる業態の商品開発や原料調達を1つの組織でできるような体制を構築したいと考えています。また、人材不足や作業場での密を避けるといった観点から、プロセスセンター(PC)やセントラルキッチン(CK)を活用するSMや飲食店も増えているため、PCやCK向けの提案も強化していきたいです。巣ごもりは当分続くでしょう。自宅で食事する時間が増えれば増えるほど、われわれの出番はもっとあるはずです。組織もそのようなニーズに対応できるようにつくり変える必要があります。

 人材も、多くの業態の経験を積ませるため、飲食店の担当者がSM、CVSにも携わるなどローテーションさせていきたいです。また、当社には管理栄養士や惣菜管理士の資格を持った社員が多数おり、こういった人材も積極的に活用していくつもりです。

総菜メーカーの販路拡大を図る

──総菜を今後の成長の柱とするのですね。

佐々木 そうですね。現時点の売上でSMの総菜が900億円、CVSの中食が2300億円、飲食店が約1550億円あり、合計すると約5000億円規模になります。中期的にはこれが

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