2021年度、既存店売上2.6%増!「脱チェーンストア」で復活したユニーの戦略を関口憲司社長が語る

聞き手:阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
構成:大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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2019年1月、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(東京都/吉田直樹社長CEO:以下、PPIH)のグループに入ったユニー(愛知県)。以降、総合スーパー(GMS)改革を猛スピードで推進し、その効果が大きく顕在化し始めている。最新の21年6月期では、新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大下でGMS他社が苦戦するなか既存店売上高を対前期比2.6%増と伸長させた。ユニーでは今、何が起きているのか。改革の先導者である関口憲司社長に話を聞いた。

販促費半減でも売れる「買い場」をつくる

──ユニーの21年6月期業績は、売上高が同5.6%減の4926億円、営業利益が同2.9%増の289億円。業態転換店舗をPPIHグループのUDリテール(神奈川県/片桐三希成社長)へ移管したことで売上高こそ減少しましたが、独自の改善策の推進により増益を達成し、PPIH全体業績に貢献して注目を集めました。

関口 これまで進めてきた構造改革がお客さまに支持されているのを感じています。コロナの影響を受けた21年6月期は、とくに食品の既存店売上高が一般的なGMSや食品スーパー(SM)の平均を2~3%上回って推移しました。また、家ナカ需要を満たす住居関連品が堅調に伸びています。

 好業績の主な要因は、既存店の改革が進んでいること、また粗利益率の改善や販管費の削減が進んで収益性が高まったことが挙げられます。

──既存店では店舗運営と商品政策(MD)の双方から改革を進めています。

関口 店舗運営では本部の権限を店舗に委譲する「個店経営」へと方針を転換しています。ユニーは従来、本部が決めた施策を現場が実行する「チェーンストア経営」に従順に取り組んできました。しかし、店舗ごとに商圏特性や客層、競合店は違うため、一律の施策では“平均点”の店しかつくれません。

 その改革の1つとして

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聞き手

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

構成

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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