子供服のナルミヤ・インターナショナルが「写真館」出店を拡大するワケ

2021/10/12 05:55
    野澤正毅
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    居抜き出店や単独店でコストダウン

    ―アパレル産業の利益率アップは重要な課題だと思いますが、利益率10%達成に向けて、どのような手立てを講じているのでしょうか。

    石井 SCチャネルでは、22年から無人レジの導入などで省力化を進めて、生産性の向上を図ります。ECの拡大に伴って、運賃も上昇傾向にあるので、バックヤードの業務効率化もカギになります。当社では、全商品にRFID(タグのメモリ情報を電波で読み書きできるシステム)のタグをつけて、商品情報の管理を徹底しています。物流拠点の統廃合も進めています。また、出店コストの削減も、大きな眼目になりますね。

    ―出店コストはどのように抑えるのでしょう。

    石井 立地の多様化を進めています。これまでは百貨店、SCがメーンでしたが、より低コストで出店できるチャンスがあれば、百貨店やSC以外の立地でも、機動的に新店を開設できるようにしています。例えば、コロナ禍の影響で、さまざまな出店スペースが出てきています。既存施設以外にも臨機応変に可能性を求めていきたいと思います。そこへ「居抜き出店」をするのも、一つの手ですね。大型専門店にもテナントの空きスペースが増えているので、そこに入居させてもらう方法もあるでしょう。

    それから、当社にとって新たなチャレンジとなりますが、複合業態(写真館+アウトレットや、写真館+SCブランドなど)の路面店舗も開発していきたいと考えています。

    ―どうして単独店なのですか ?

    石井 自社の裁量で運営できる魅力が大きいですね。例えば、地方の郊外型SCは、21時までの営業が基本というケースも少なくありません。テナントも、SCの営業時間に合わせて運営するしかありません。しかし、子供服専門店は、実は、年中無休でなくてもいいわけです。主客層であるママは通常、日中にしか来店しません。つまり、18時以降はクローズしてもいいわけです。SCのテナントにはできませんが、単独店なら、それが可能になる。必要な時間だけ営業すれば、店舗運営費や人件費も圧縮できます。それに、単独店なら、スタッフの都合に合わせて営業時間を決めることもできるので、人材を集めやすくなるでしょう。

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