食品スーパーに野菜を卸す学生サークル「6次産業化クラブ」とは 小売の地域貢献の新たな可能性

松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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将来の人材確保にもつながる?

 6次産業化クラブと中条店の取り組みは、前述したようにウオロクが地域貢献の一環として6次産業化クラブに声をかけたのが始まりだ。小売企業としては売上や利益が大きく見込めるわけではないが、学生に学べる機会を提供することも地域貢献の1つのかたちである。ほかに小売と学生が協業している例を挙げると、21910日にリニューアルオープンした「MUJI新宿」(東京都新宿区)では、ファッション・服飾系の専門学校である文化服装学院の学生が制作したインスタレーションを展示している。

 小売企業の地域貢献というと、どうしても“大人”との取り組みを想像しがちだが、6次産業化クラブにウオロクが声をかけたように、自分たちの事業内容と関連性があることを専門的に学んでいる学生・若者との協業もできるのではないだろうか。ウオロクでは新潟食料農業大学から内定者も出ているなど、とくに高齢化や人口減少が著しい地方では将来の人材確保にもつながる可能性もある。小売企業の地域貢献の一つのかたちとして、学生との協業は大きな可能性を秘めているかもしれない。

 

6次産業化クラブについては下記SNSを参照

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記事執筆者

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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