ウィズコロナ時代のショッピングセンター経営31 これからのSCが売上連動から「固定賃料」へ変わる必然とは

西山貴仁(株式会社SC&パートナーズ 代表取締役)
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定期借家制度は「どちらが汗をかく」か

 この話をすると一部の人から「固定賃料にすると貸しっぱなしになりSCのクオリティが落ちる」「これでは単なる不動産賃貸業であり管理業に後戻りする」という指摘がある。確かにSCの黎明期、固定賃料によって運営管理が疎かになり、SCの品質が上がらない時代があった。その反省から歩合賃料を導入し、テナントをイコールパートナーと呼び、運営管理業務もハンズオン型に変え、品質を上げていったのがSCの歴史であることは間違いない。ただ、この意見は普通借家時代の意識が変わっていない。

 契約期間が一年以上の定期借家契約では契約終了の1年前から半年前までの間に賃貸人から賃借人に対して終了通知をしなければならない(法38条第4項)。この時、賃貸人と賃借人の意思が問われる。賃貸人が再契約を希望するのか、賃借人が再契約を希望するのか、この強弱によって賃料は決定する。

SC賃料は需給のバランスで決まるため営業継続の意思が強い方が交渉は不利になる。

 要するに契約期間内にどれだけ実績を上げたのか(汗を流したのか)によって賃料は決まることになる。貸しっぱなしで売上も大して上がらなければテナントは契約を希望せず退店していく。これは逆も同じでテナントのパフォーマンスが高くSCに不可欠な存在であればSC側は強く再契約を希望する。

 定期借家制度は、双方に努力を促す仕組みをビルトインしているのである。

賃料はサブスクモデル

 不動産賃料はサブスクモデルに他ならない。一度契約すれば自動的に前家賃でキャッシュが入ってくるわけだが、コロナ禍、そのサブスクモデルと売上連動制がどれほど脆弱なものか気が付いたのでは無いだろうか。

  私はSCの賃料を「固定賃料にすべき」と言っているのではなく、「必然」であることを主張している。これまでのような村社会的運営管理でSCが生き延びて行く方がどれほど楽しいかしれない。しかし、歩合賃料を前提にした運営管理業務は固定費が高い。

ポストコロナ、SC運営管理業務のDXと賃料形態について定期借家制度やテナントの変化をもとに、再考する時期に来ている。

 

西山貴仁
株式会社SC&パートナーズ 代表取締役

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。201511月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。岡山理科大学非常勤講師、小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒

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