業界の壁を超えたSDGs戦略 廃棄食材で染めるファッションアイテムに脚光!

両角晴香
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植物ならではの色合いが魅力

ボーダーカットソー
新潟県加茂市にて完全受注でボーダーカットソーを生産する「G.F.G.S」とのコラボ

 フードテキスタイルの糸は、日本人がふだん口にする、安全な食品(の残さ)で染められている。赤キャベツ、小松菜、抹茶、コーヒーなどから染料を抽出し、現在、50以上の食材からデータを取得、500色以上まで展開できるようになった。

 1つの食材からpH値で酸性とアルカリ性を調整することで、10色ほどの色合いが取れるという。例えば紫キャベツなら黄色、ピンク、紫などのグラデーションが楽しめる。

 「化学染料では出せないアンニュイな色味が魅力です。奥行きがあり角度や光の当たり方によって色の見え方が違ってきます。本来捨てられていたものを活用することで、人の心を揺さぶるコミュニケーションツールになればと考えています」(同)

 日本には古くから草木染めの伝統技術があるが、色落ちというデメリットがある。その点、フードテキスタイルの商品は天然染料90%強に加え、色を定着させる「のり」の役割として化学染料を10%未満で使用し、色落ちを防いでいる。

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