プロセスセンター(PC)においてさらなる省力化と省人化を進めるにあたっては、PC内で稼働する機械機器がその役割の少なからぬ部分を担っている。食品加工機器のパイオニア、なんつね(大阪府/南常之社長)が進める「自動化」をまとめた。
中長期的にはPCの自動化が必要
食品スーパー(SM)では、プロセスセンター(PC)の導入が広がった3~4年前から、PCの自動化へのニーズがみられるようになってきた。
なんつねの執行役員R&D本部長、橋口真博氏は、「人手不足が深刻であった3~4年前はPCを可能な限り機械化し、人手をかけないことが優先されたが、人手不足が一時的に解消されたコロナ禍では、PCの生産性や効率性がより重視される傾向にある」と現状を分析。そのうえで、「食品加工機械メーカー、SMともに、国内の人口減少や少子高齢化を鑑み、『中長期的にはPCの自動化が必要だ』との共通認識を持っている」と語る。
自動盛り付けロボ、スコーピオン
なんつねでは、PC向けの自動化ソリューションの開発をすすめている。従来、手作業のみに依存してきた工程を自動化する第一歩として開発されたのが、自動盛り付けロボ「SCORPION(スコーピオン)」だ。機械でスライスされた精肉をトレーに盛り付ける工程は、赤身と脂身とのバランスのよい見栄えを整えながら、やわらかい肉を手の感覚でふんわりと盛る必要があり、とりわけ人手がかかる。また、一定の品質を担保するためには作業者への教育やトレーニングが不可欠であり、作業者の熟練度によって作業速度も一様でない。
2020年8月に発売したスコーピオンは、スライス肉をトレイに自動で盛り付けるロボットだ。2台のカメラが撮影した画像を用いてスライス肉の状態を短時間で精緻に判断し、独自に開発したロボットハンドで、人間の手と同じようにスライス肉をやさしくつかんで整然と盛り付ける。従来の手作業よりも衛生面に優れ、熟練作業者の作業速度の
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