マルイと共同運営!ネットショップによるリアル進出「SHIBUYA BASE」移転リニューアルのねらいは?

久保佳耶
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「実店舗で営業したい」ニーズに応える

 ネットショップ作成サービス「BASE」の強みは、誰でも簡単にデザイン性の高いネットショップを作れることにある。コロナ禍でECが注目を浴びた背景もあり、2021年5月には加盟店数が150万を突破、その内50万ショップが直近1年以内に開設されている。加盟店に特徴的なのは、その約72.1%が1人で運営しているということと、実店舗を持たずネットショップのみを運営しているケースが多いということだ。

 しかし、認知向上や新規顧客開拓のために実店舗を出店したいというニーズは根強い。この問題を解決するのが「SHIBUYA BASE」というわけだ。「SHIBUYA BASE」は、什器や機材などを無料で利用できるほか、丸井グループによる販売のノウハウやアドバイスなどを受けることもできる。これまで出店した加盟店からは、「渋谷の一等地に出店できるとは思わなかった。店舗のレイアウトやセールスのサポートをしてもらえて助かったという声が多い」と新津氏は語る。さらに、出店時の初期費用や固定費用等は不要で、商品の販売額に応じた手数料のみでリスクなく出店できることも特徴の一つだ。今回のリニューアルに合わせ、加盟店のリスクをより軽減するため、期間限定で無料での出店を可能にした。

 メリットの多い「SHIBUYA BASE」への出店を希望する加盟店は多く、「SNSでの人気が高いことや、コアなファンが多く成長が強く見込めるかどうかなどの観点で、実際に出店するブランドを選んでいる」(山村氏)。出店店舗は1週間単位で入れ替わっていき、今後半年間で30店舗以上の出店を見込んでいる。また、東京以外のエリアで出店したいという要望も多く、今後の出店についても検討中だ。

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