「お届け30分」はもう古い?! デリバリーピザのパイオニア、ドミノ・ピザがめざす「ピザの普段食化」

2021/07/19 05:55
    若狭 靖代(ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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    1985年に日本初のデリバリーピザチェーンとして東京・恵比寿に1号店を出店して以降、21年6月23日に全国で800店舗を達成するまでに成長したドミノ・ピザ。そんなドミノ・ピザが、更なる成長のテーマとして掲げるのが「ピザの普段食化」だ。ピザのイメージ刷新をねらうドミノ・ピザジャパン(東京都/ジョシュア・キリムニック社長)の、執行役員兼営業部長 柿内宏之氏に話を聞いた。

    10分でピザが届く?!ドミノ・ピザの出店戦略

     現在のピザのイメージについて、「これだけ普及した今でも、ピザは皆が集まる日やイベントごとのある日に食べるもの、というイメージが強い」と柿内氏は語る。欧米の食文化から輸入されたハンバーガーが、普段から食べる「普段食」として浸透しているのに対し、ピザは今も特別な機会に食べる「機会食」としての使われ方が多いのだという。しかし当然、機会食よりも普段食の方が需要を多く集めやすい。ドミノ・ピザが「ピザの普段食化」をねらう理由はここにある。

     普段食化をめざす上で、重要なポイントが3つある。その1つ目が、「どれだけ身近に購入できる場所があるか」だ。従来ピザといえば、「30分以内に届けてくれるもの」だったが、このイメージはもはや前時代のものとなりつつある。

     近年ドミノ・ピザは、「商圏分割」の戦略で出店をしている。すでに「30分以内のデリバリー」を達成するだけの十分な密度で出店している地域にも、さらに商圏を細かく割譲し、新たな店舗を出店する。これによって、デリバリーに要する時間を短縮。その時間は、短いところでは約10分程度にまで縮められる。さらに、自宅から最寄りの店舗が近くなることでテイクアウト利用を後押しする効果もあるという。

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