ネットスーパーと実店舗の両輪で成長 西友最高経営責任者代行 ミッチェル・スレープ

聞き手:阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
構成:高浦佑介 (ダイヤモンド・ホームセンター編集長)
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──では、スレープCEO代行のミッションは何ですか。

スレープ 西友はこの10年、成長軌道に乗り続けてきました。私のミッションはその成長を続けることです。お客さまにより品質の高い商品を安い価格でお届けすること。そのために運営の効率化を図ること。まだまだやれることはたくさんあります。その変革を、スピード感を持って進めていくことです。

──急激にビジネスを成長させるために、時間を買うという意味で、現在、日本でM&A(合併・買収)を行うことは考えていますか。

スレープ とくに今すぐM&Aを行うというプランはありません。ただ、チャンスがあれば検討する可能性はあります。お客さまによりよいサービスを提供するにはどうすればよいか、という視点で考えています。

──一方、アマゾンジャパン(東京都/ジャスパー・チャン社長)は急成長を続けています。どのように対策しますか。

ネットスーパー
西友は重点施策の1つにネットスーパー事業を挙げる
 

スレープ われわれは以前から生鮮食品を取り扱ってきましたので、生鮮食品の販売の仕方を熟知しています。ネットスーパーにも力を入れています。さらに楽天とのパートナーシップで、販売力をさらに強化していきます。

──今後の西友、ウォルマート・ジャパンの経営体制について教えてください。

スレープ 短期的には大きな変更はありません。もちろん長い目で見れば、企業の展開フェーズにおいて最適な経営体制を構築する必要がありますから、当然必要に応じて変化していくでしょう。

──ウォルマートのダグ・マクミロンCEOとはどのようなお話をしているのですか。

スレープ 楽天との提携でダグが来日したとき、「スピード感を持って、どんどんチャレンジするように。Go fast!」と言われました。ダグの言うとおりです。小売業界は今までにないスピードで変わっており、今いる場所に安住するという選択肢はありません。

──最後に、スレープCEO代行は西友に来て約3年になりますが、西友の強みや特徴的だと思うことを教えてください。

スレープ 西友の社員にウォルマートカルチャーが根付いていることが印象的でした。お互いにフランクに、透明性を持って接するというオープンな文化です。そして、現状に満足せず、つねにビジネスをよくしていこうという情熱。これもウォルマートのDNAです。

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聞き手

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

構成

高浦佑介 / ダイヤモンド・ホームセンター編集長

2010年東京大学文学部卒業、12年同大学院修士課程(社会心理学)修了。14年ダイヤモンド・リテイルメディア入社。『ダイヤモンド・チェーンストア』誌の編集・記者を経て、19年4月より現職。

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