ネットスーパーと実店舗の両輪で成長 西友最高経営責任者代行 ミッチェル・スレープ

聞き手:阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
構成:高浦佑介
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柏東店
より効率的な運営をするための実験を行っている柏東店

──価格政策についてはどのようにお考えですか。

スレープ 価格は下げ続けます。それがわれわれのビジネスモデルだからです。つねに効率改善することによって、無駄なコストを削減し、浮いたお金を商品の値下げに投資します。このウォルマートのビジネスモデルがあったから、西友は長く存在し続けることができています。

実験店舗
実験店舗では品出ししやすい棚を導入している

 EDLP(エブリデー・ロー・プライス)施策の1つである「プライスロック」はお客さまからも高く評価していただいています。プライスロックはお客さまに対して3カ月間価格を固定するという約束です。今年5月にはさらに食品・日用品のプライスロック対象商品を約600品目追加し、平均で7%値下げしました。今後も対象商品を拡大していく予定です。

──さらに効率的な店舗運営をするために、どのようなことに取り組んでいますか。

スレープ 現在、より店舗を効率的に運営するための実験をしています。物流センターから店舗までの商品の運び方や、品出しのプロセス改善、それぞれの部門での管理方法。それらすべてのやり方を見直しています。もちろん、接客レベルは落とさずにです。

現在、店舗効率化によるコスト削減効果を商品価格や品質・鮮度および利便性に再投資することでお客さま価値を高める、「私たちの約束」プロジェクトを進めており、その実験を柏東店、竹の塚店、永山店の3店舗で実施しています。下半期にはもう1店舗追加する予定です。そこで得たノウハウを新店や改装店に反映し、広げていきます。

PBの開発は英アズダをモデルに

──プライベートブランド(PB)の開発状況について教えてください。

スレープ 西友では「みなさまのお墨付き」というPBを展開しています。これは開発時に実際にお客さまのご意見を聞き、お客さまから高評価を得ない限り商品化できない、という仕組みで開発された商品です。お客さまの声を取り入れて開発しているという点で、このPBは世界のウォルマートグループの中でも高い評価を得ています。

みなさまのお墨付き
PBの「みなさまのお墨付き」。商品開発時に顧客の意見を取り入れ、多くの支持がない限り商品化されない 

このアイデアはウォルマート傘下だった英アズダ(18年4月、英セインズベリーと合併)の「Chosen By You」というPBを参考にしています。開発の背景には28カ国にあるウォルマートグループの存在があり、それぞれのノウハウを学び、自分の国で生かしていくことができるのがウォルマートの素晴らしいところです。

──商品政策(MD)についてはどのようにお考えですか。

スレープ 特別なものを用意しています。後日発表させていただきますが、画期的な商品を販売する予定です。ぜひ今後も注目してください。

──次に、プロモーション施策についてお聞きします。1年前から、働く女性をターゲットに「やっぱコスパ」というキャンペーンを行いました。手ごたえはいかがですか。

スレープ このキャンペーンは成功しました。ネットスーパー事業と同様、若い主婦を軸足に置きながらも、より幅広い層のお客さまに低価格で価値ある商品を提供していきます。これまで無事プラス成長を重ねることができたのも、そのおかげです。

──西友のプロモーションはわかりやすくてユニークなものが多いです。では、今年はどんな印象的な販促を行う予定ですか。

スレープ 今年2月に「安いクセして。」というキャッチフレーズを用いて、プロモーションを行いました。これは価格が安いにもかかわらず、品質がすぐれている商品を販売する、という意味です。お客さまからも評価いただいたので、これを続けていきたいと考えています。このキャンペーンを主軸に、お客さまにワクワク楽しんでもらえるようなプロモーションをいろいろやっていきたいと考えています。

女性リーダーを育成、初の地区長誕生

──人手不足問題についてはどのように対策しますか。

スレープ いろいろなプログラムを実施しています。まず、採用チームを本部に設置し、多種多様な人財を採用するようにしています。

 また、採用するだけでなく、成長し続けてもらうことが大事です。15年からはウォルマートグループ共通で実施している「Woman In Retail(ウーマン・イン・リテール)」というプロジェクトも開始しました。これは、店舗アソシエイトの約7割を占める女性の活躍・成長を通じてビジネスを成長させることをめざし、店舗の女性社員を対象としています。われわれのビジネスに関していろいろなことを学んでもらい、女性リーダーの育成や将来の女性リーダー候補者を発掘することを目的としています。これまでトータルで約220人が参加し、初めて女性の地区長も誕生しました。

 女性のお客さまが多いことからも、多種多様な女性リーダーを育成するというのはわれわれにとっても優先順位の高い問題です。

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