佐藤勝人の「本当に強い店」づくり#1 「強い店」の条件とは何か 今めざすべき地域から支持される店
「濃く狭い」領域でシェアを獲得する
では、「同じ品質のコーヒーをより安く売る店」があったらどうでしょうか。ほとんどの人は、迷わずそのお店に鞍替えするでしょう。これがつまり「強い店」なのです。冒頭で述べた「強い店」の条件、「地域に根ざし、密着し、地域の人々を第一に考える店」とはつまり、自分の店の売上や利益率よりも先に、時流に合わせて地域の人々が今何を望んでいるのかをよく観察し、人々の生活を健康で豊かなものにすることを考えられる店なのです。
そんなことをしたら経営が立ち行かなくなるじゃないか、と考えるかもしれません。しかしそれは昨日までの作業効率の話、「同じ品質のコーヒーをより安く売る店」は、地域から熱烈な支持を集めることができます。かつてのチェーン店がめざした「薄く広い」販売シェアではなく、地域のニーズに全力で応え、たとえ分野は狭くても圧倒的な強さを持つ、いわば「濃く狭い」販売シェアの獲得意識こそ、本当の意味での「強い店」を作るベースであることを忘れてはならないのです。
次回以降では、「販促」「人材育成」「商品」など、店を構成する要素ごとに分け、ひとつずつ「強い店」になるための方法を解説していきます。