コンビニ業界のブランドパワー、セブン3年連続1位も、気になる“ある指標”の下落

文=大窪翔子(ニールセン・カンパニー コンシューマー・インサイト) 調査=ニールセン・カンパニー合同会社
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ランキング大

新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大の影響を受けて、2020年度に利用が大きく減少したコンビニエンスストア(CVS)業界。その結果、市場の9割超を占める大手3社のSEI は揃って減少し、ブランドイメージ属性の重要項目も大きく変化している。

ブランド属性項目の重要度順位が大きく変化

 まずCVSのSEIランキングを見てみよう(図表⓭)。CVS市場シェア・店舗数ともに1位の「セブン-イレブン」(企業名:セブン-イレブン・ジャパン)は、ブランド力でも強さをみせ、SEIスコアは4.00と2位以下に大きく差をつけている。しかし昨年と比較すると、同社を含めて大手3社ともスコアが減少し、とくにセブン-イレブンが-0.23ポイント(pt)、「ローソン」(企業名も同じ)が-0.19ptと減少幅が大きい。なかでもセブン-イレブンは圧倒的な1位ながらも、経年で見てみると2年続けてスコアが漸減しているのが気になる点である。

 次にブランドイメージ属性項目を見ると、重要度の順位が大きく変化している。前年まで1位だった「お弁当や飲み物の品質が高い」は6位まで大幅に順位を落とし、前年6位だった「欲しいものがすぐに見つかる」が1位に躍り出ている(図表⓮)。

 その他の項目については、「セール・特売等の内容が良い」「買いたいと思っているものが必ず在庫にある」「商品陳列がうまい」の重要度が昨年よりも増し、「取り扱っている商品の種類が豊富である」の重要度が下がったことが特徴だ。

 コロナ拡大前は、「お弁当や飲み物」といった商品の品質がCVSで重視されていた。しかし生活様式の変化に伴い、総菜や冷凍食品、日用品など、日常で必要な商品を迷わず購入できる利便性が求められるようになっていると想定される。

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