「デジタル化と小売業の未来」#8 ワークマンが実店舗での返品対応を強化するワケ
ワークマンに返品に来るお客はLTVが高い
ECでは、基本的に試着やサイズの間違いによる返品ができません。そのため、実店舗ではもっと商品に触れられる場所を設けてECではカバーできないニーズに対応する必要があります。たとえば、試着室を2倍に増やしたり、返品コーナーを店舗内の目立つ場所に設置したりすることも重要な施策となっています。とくに返品に関しては、ECでは満足な顧客体験を得られることがまだ少ないため、来店した人にしっかりアピールして対応できるようにしておく必要があります。そのためには、ECと店舗が連携した高い互換性も重要となります。
急成長を続けるワークマン(群馬県/小濱英之社長)でも、サイズ違いでの返品を求める声が多いそうです。ふつうの会社であれば、返品が減るように努力することが多いのですが、彼らは店舗での返品・交換はウェルカムだと言います。なぜなら、データを取ってみた結果、返品・交換に来るお客はLTV(顧客生涯価値)や購入率が高く、返品のついでに別の商品を購入することも多いからです。返品・交換対応を強化することは、店舗への誘導・売上アップのために効果的だと判断し、店舗までの地図がすぐに表示できるようモバイルサイトのUIを変更するなどの取り組みを行っているとのことです。