コロナ一巡も成長とまらず! 生協が今後も伸びる2つの理由
1年100万人超が加入
若年層の獲得に成功
20年の供給増は利用者の増加が直結したものだ。生協宅配の新規加入者は例年では約40万人に対し、20年度は上期の半年で60万人が加入。下期も前年同期比で倍増以上のペースで推移している。
実はコロナ禍は、生協のさらなる成長を可能にする大きく2つの要素をもたらした。
1つ目が、若年層の獲得だ。大きく伸びた新規加入者のうち約6割が20~30代の若い世代である。日本生協連の18年の調査で組合員の平均年齢は57歳で、生協ではこれまで組合員の高齢化が大きな課題となっていた。今回、若年層を開拓できたことは、全国の生協の指針となる2030年ビジョンで掲げる「人生100年時代を支える生協」実現の推進力になるだろう。
2桁増収を支えた
物流インフラと配送基盤
もう1つの要素は、配達担当者の確保が進んだことだ。
生協の成長を支える存在として忘れてはならないのが、その物流網だ。1000万人の宅配組合員に届ける商品を仕分けする物流インフラと、2万人の配達担当が担うラストワンマイルの配送基盤を有する。近年は配達担当者の人手不足問題が生協最大の経営課題となっていた。しかしコロナ禍で失業者が増えたことで人材獲得が進み、状況が一気に改善した。
宅配・配達担当の欠員に関するコープソリューションのアンケート調査(21年5月)では、19年同月で4.46%だった宅配の欠員率は、21年同月1.60.%と大幅に改善した。充足率が高まったことで配達担当者の労働環境も向上し、職場に好循環が生まれている。