広島のローカルスーパー、フレスタが「脱SM」掲げ、製造小売をめざす理由と成果!

聞き手:阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
構成:森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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広島県、岡山県を中心に店舗展開するフレスタ(広島県)。商勢圏では競争が激化する中、新たな店づくりにチャレンジするほか、食品スーパーの枠組みを超えた事業を模索するなど差別化や競争力強化をねらった取り組みに力を入れる。今後の展望や課題などを、今年3月、新社長に就任した谷本満氏に聞いた。

昨年、行動規範を刷新

──この1年をいかに振り返りますか。

フレスタ社長 谷本満氏
たにもと・みつる●1962年生まれ。 83年フレスタ入社。2001年、同社販売促進部部長。06年、同社取締役業務本部長、12年、取締役販売本部長。16年、三原スーパー代表取締役社長。18年、常務取締役営業統括本部長。21年、代表取締役社長(現任)

谷本 コロナ禍で外出を控え、家庭で過ごす人が増えたことで内食需要が高まり、食品スーパー(SM)を利用する人が全国で増えました。当社も2021年2月期の売上高は対前年比9%増で着地。そのうちコロナ禍の影響によるものが6%、残る3%はここ数年、進めてきた既存店改装、そして新規出店による伸びと分析しています。

──近年の経営環境を教えてください。

谷本 当社は本部を置く広島県のほか、岡山県、山口県で店舗展開しています。多くの店を配する広島県は人口減少が進行、とくに都市部である広島市では国内でもワースト上位に入るペースで市場が縮小。一方では近年、県外勢が相次いで進出、競争が激化しています。

──厳しい状況の中、御社は昨年、会社設立70周年を迎えました。これを機に新本部を建設するなど、新たな布陣で新たなスタートを切っています。

谷本 昨年5月、発祥の地である広島市西区のJR横川駅前から、同市安佐南区に本部事務所を移転しました。さらに昨秋、グループ会社や各地に分散していた総菜や食肉のプロセスセンター(PC)を本部と同じ敷地に集約し生産性の向上を図りました。PCは老朽化が進んでいたため、新施設建設に伴い規模を拡大、生産機能も強化しました。

──その中で今年3月、フレスタの新社長に就任しました。どのような方針で経営にあたりますか。

谷本 70周年を迎えた昨年、行動規範を刷新しました。それを今後、3年をかけて正社員だけでなく、パートタイマーやアルバイトにも浸透を図ります。理念経営を実践、従業員満足度を上げます。

 新しい行動規範は、若手社員20名が集まってプロジェクトを結成、策定しました。具体的には①「Friendly お客さまに対して誠実な人になろう」、②「Relation 地域に根差し環境を大切にする人になろう」、③「Enjoy チャレンジを楽しむ人になろう」、④「Smile 明るく笑顔にできる、元気な人になろう」、⑤「Tasty 商品に自信を持てる人になろう」、⑥「Assist 仲間を思いやる人になろう」──の6つです。

──掲げる数値目標は何ですか。

谷本 現在、21年2月期を初年度とし、3年を期間とする中期経営計画に取り組んでいます。毎年、売上高ベースで対前期比

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